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【エフェクチュエーション事例①:ネスカフェバリスタ】

9月4日(水)は第3回エフェ会。
今回は事例を豊富に紹介します。

■紹介予定事例
・ネスカフェ アンバサダープログラム
・マスキングテープ「mt」
・スタディサプリ
・アスクル
・KOMTRAX(コマツ)

今日はその中から、
ネスカフェアンバサダープログラムに
ついてご紹介。

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・ネスカフェアンバサダープログラムとは?

ネスカフェアンバサダープログラムは、ネスレ日本が展開したコーヒー利用プログラムです。企業や職場の代表者(アンバサダー)がプログラムに参加し、コーヒーメーカー「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」を無料でレンタルし、コーヒー・カートリッジを定期購入することで、職場で手軽にコーヒーを楽しむことができるシステムです。このプログラムは、2012年にサービスを開始し、現在では多くの職場で導入されています。

・事業開始のきっかけは?

ネスカフェアンバサダープログラムは、当初、家庭用市場に向けて開発されたコーヒーメーカー「バリスタ」の販売が職場市場でも展開できないかという発想から生まれました。ネスレ日本がバリスタの家庭向け販売に成功した後、職場でも同様のコーヒー体験を提供することを目指しました。しかし、最初の試みでは、「既に自動販売機がある」などの理由で職場市場への導入が進まず、営業活動はうまくいきませんでした。

・事業成功に繋がる重要なターニングポイントは?

転機は、東日本大震災の被災地を訪れたネスレ日本のマーケティング担当者が、仮設住宅の集会所にバリスタを設置したことにあります。無料でコーヒーを提供することで、住人たちが集まるようになり、コミュニケーションが活性化しました。この予期しなかった効果を目の当たりにし、担当者は職場でも同様の結果が得られるのではないかと考えるようになりました。

・その時の担当者の気づきは?

マーケティング担当者は、仮設住宅での経験から、コーヒーメーカーがコミュニケーションを促進するツールになり得るということに気づきました。この気づきが、職場市場へのアプローチを変えるきっかけとなり、コーヒーメーカーを無料で提供し、カートリッジの定期購入を促進するフリーミアムモデルを採用することに繋がりました。

・その後のスケールの流れは?

プログラムは小規模なテストマーケティングから始まりましたが、アンバサダーを募るとすぐに反響があり、全国的に拡大されることになりました。サービス開始後、アンバサダーの数は増加し続け、2012年の開始から2020年までに40万人を超えるアンバサダーが参加する成功事例となりました。

・なぜこの事例がエフェクチュエーション?

この事例がエフェクチュエーションといえるのは、仮設住宅にバリスタを設置するという実験的な行動から、職場市場への成功が導かれたからです。予想外の環境で得た住民の反応を見て、担当者は職場でも同様の効果が得られると直感しました。その後、小規模な市場調査を通じてこの直感を確信に変え、戦略を展開していったことが、エフェクチュエーションの「行動を通じて学び、不確実性をチャンスに変える」アプローチを具体的に示しています。

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事業が思い通り進まないとき、
当然のことながら「どうしたらうまくいくだろう」と
あれこれ試行錯誤をしますよね。

しかし、突破口を開いたのは
「仮設住宅にバリスタを置いていく」という
何気ない行動でした。

そこから
「バリスタにはコミュニケーションを
活性化させる力がある?」と気づき、
それを市場調査で確認しながら
徐々にマーケティングを強化していったわけです。

ゴールをあらかじめ設定した事業計画ではなく、
ヒントや手応えを一つ一つ確認しながら進めるのが
エフェクチュエーション的ですね。

第3回以降のエフェ会では、
エフェクチュエーション的な流れで
新規事業を立ち上げた事例や
実際の事業の中での活かし方をまとめた
書籍『エフェクチュアル・シフト』の内容を中心に
勉強会を行います。

今回は
「エフェの始まり -Beginning of Effectuation -」
と題して、
様々な事例の「スタート地点」にフォーカスをして
意見交換も行いたいと思います。

「初めて参加するから不安」という方には
過去の勉強会のアーカイブ動画を公開するので、
そちらを予習していただいてもいいですし、
予習がなくてもある程度わかるように
序盤で基本的な内容の振り返りもしますので
安心してください。

ご興味のある方、
ぜひご参加ください。

第3回エフェ会


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