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【”持続可能”という言葉の奥深さ】ファッションブランド「ミナペルホネン」に学ぶ本当のサステナビリティ

近年、サステナビリティという言葉が多く使われるようになりました。日本語では「持続可能性」。これは、地球環境や特定の国・地域・民族・集団などに負担をかけることなく成立することを意味します。例えば地球環境に負担を与え続けるビジネスは、いずれ地球環境がその負担に耐えられなくなったとき、そのビジネスも一緒に消滅せざるを得ない。そうならないよう、持続することに無理のないビジネスを行おうという発想です。日本には、この「サステナビリティ」を1990年代から実践しているアパレルブランドがあります。今回はそんなブランドから学びます。

【引用記事】その服、サステナ?(上)来年着ない服は作らない ミナペルホネンが問う成長
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77630240W1A111C2TB1000/

【記事要約】
・大量生産、大量消費を前提としたアパレル産業は大きな岐路に立つ。売れ残りとセールを見越した値決めは消費者に見透かされ、新型コロナウイルス禍による販売不振も続く。サステナブルな服、サステナブルなビジネスモデルとは何か。アパレルブランド「ミナペルホネン」創業者兼デザイナー、皆川明(54)の姿を追った。
・今年着て来年ゴミになるような服は作らない。セールもしない。同じデザインを定番化して何度でも使う。売った商品はたとえ靴下でも修理する。今でも貫く。
・商品の値決めにも皆川流の哲学がある。ミナペルホネンはどんな商品でも、原価に対して一定の金額を利益分として上乗せする。原価の高い商品ほど、顧客からするとお買い得になる。
・生地の段階から自らデザインし、協力工場に頼んで自社生産を続けてきた。服を作るため生地を切り抜いていくと15%程度が残るが、皆川らはこれを小物や家具に応用して徹底して使い切る。これらは全て利益率の改善につながる。
・実は成長率にキャップまではめている。年間売上高は2割増まで。これを超えて数字を伸ばそうとすればどこかに無理が生じる。社内や協力工場、顧客も含めた全ての関係者のどこかにしわ寄せがいけば、人が離れると分かっているからだ。

【ポイント解説】持続可能性への徹底的なこだわり
・熱狂的な支持者を持つアパレルブランド「ミナペルホネン」。2019年に東京京都現代美術館でも展覧会が行われた同ブランドの哲学は「せめて100年続くブランド」。それは単にブランドとして存続することだけではなく、ファッションというビジネス自体が地球環境と共存することまで視野に入れている。
・環境負荷とビジネスの両立を考えるときのキーワードは「無駄に作らない」。一般的には、「需要がある量だけ供給する」という意味で使われるが、ミナペルホネンの場合は、「1年で捨てられてしまうような服は、本当に必要な服ではない。修理して長く使いたいと思う服が、少しあればいい」というニュアンスまで感じられる。
・ハギレなどの素材も無駄にしないだけでなく、成長率の上限を決めて急激な拡大を抑え、ブランドが一過性のブームになることも避けている。利益の決め方も、「この商品をたくさん売ったら利益が出る」という欲を抑えるためにあるように思われる。一時の欲でブランドが間違った方向に進まないよう、自主規制をかけている。

【マーケティング力を高めるヒント】
・あなたのビジネスが儲かれば儲かるほど、苦しい思いをする人々はいますか?それは従業員、地域の人、取引先など顔の見える存在から、遠くの国の一次生産者や、環境汚染に苦しむ人など、遠く顔の見えない存在までを含みます。
・あなたのビジネスが大きくなっても、誰一人不幸にならないようにするためには、今のビジネスの何を変える必要がありますか?
・それを変えることで、あなたのビジネスのブランドイメージはどのように改善されますか?


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