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【ランチが相場の3倍高く売れる理由】


今日は息子の誕生日。
幼稚園をお休みして、
特別にレゴランドに来ています。

レゴランドには
バースデー・スペシャル・パッケージ
というのがあって、
追加料金を払うのですが、
特別なサービスを受けられます。

それ自体もまぁまぁなお値段なのですが、
それに付随してくるランチもお高めで、
僕の感覚で言えば、

「このランチ、相場の3倍はするよね…」

という感じです。

じゃあそれを頼まないのかというと、
結局は頼んでしまうし、
それを「ぼったくりだな!」と
ずっと憤慨しているとそうでもない。

結局は、
「まぁ、満足度からすると妥当か…」
となってしまうのは、
このパッケージに限らず、
レゴランドのプライシングの妙技です。

これを僕は心の中で
「レゴランドの暗黒魔法」と呼んでいます。

なぜこの「ある種法外な値付け」が
成立するかというと、
この値付けが商品単体の体験ではなく、
パークの中で受け取る体験全体と
紐づけられているからです。

ランチの値段は高いのですが、
僕たちはレゴランドにランチを食べに
来ているわけではなくて、
子供の誕生日を祝いに来ています。

その流れの中で、とびきり高いランチを、
有無も言わさず買わされるわけですが、
とはいえ「子供の誕生日を祝う」という体験の
満足度はメチャクチャ高くて、
実はそこには

「オプションとしてオファーされても
買わないであろうサービス」

が深く関与しているのです。

具体的にいうと、
このバースデー・スペシャル・パッケージを
購入するともらえるシールを服に貼って
パーク内で遊んでいると、
それを見つけたスタッフがみんな
誕生日を祝ってくれて、
特別なシールをくれて、
その度に子供は大喜びします。

しかし、このサービスを
「スタッフと出会うたびに
子供が誕生日を祝われるサービス ¥5,000」
として売ろうとしても、売れません。

体験したことのないサービスだし、
価格の妥当性がわからないからです。

だからこのサービスの対価は、
半ば強引に大人たちのランチ代に
上乗せされていると思います(笑)

それが、「相場の3倍高いランチ」の
正体なんじゃないかと思っています。

でも、この「スタッフに祝われる」というのは
受けてみると子供の喜び具合からして
メチャクチャ嬉しいサービスで、
(スタッフもその点よく分かっていて、
本気で祝ってくれるから、
この満足度が成立します)

結果的に、
「ランチは高かったけど、
子供は喜んでくれたし、仕方ないか」
となるわけです。

そう、レゴランドに来た理由は
ランチを食べるためではなく、
子供を喜ばせるため。

だから、それにかかったトータルコストと
結果(子供が喜んだかどうか)のバランスが
「今日1日のコスパ」であり、
そのバランスが絶妙なのが、
レゴランドのプライシングの
すごいところなのです。

レゴランドのマーケティング担当者さん、
僕はあなたを尊敬してますよ!
(日本人じゃないかも知れんけど)

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