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【エフェクチュエーション事例②:マスキングテープ「mt」】

9月4日(水)は第3回エフェ会。
今回は事例を豊富に紹介します。

■紹介予定事例
・ネスカフェ アンバサダープログラム
・マスキングテープ「mt」
・スタディサプリ
・アスクル
・KOMTRAX(コマツ)

今日はその中から、
マスキングテープ「mt」についてご紹介。

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・マスキングテープ「mt」とは?
マスキングテープ「mt」は、カモ井加工紙が開発した文具・雑貨用のカラフルでデザイン性豊かなマスキングテープブランドです。本来は工業用に使用されていたテープを、文具や雑貨、アートの素材として新たな市場に展開したことで、世界的な人気を誇る製品となりました。

・事業開始のきっかけは?
事業の始まりは、2006年に東京の3人の女性グループからカモ井加工紙に届いた工場見学の依頼メールでした。彼女たちは、工業用のマスキングテープをアートやラッピング素材として使用しており、製品に対する興味から工場を見学したいと考えました。これが、カモ井加工紙が文具・雑貨用の市場に目を向けるきっかけとなりました。

・事業成功に繋がる重要なターニングポイントは?
工場見学の依頼とともに、女性たちが自分たちの手で製作したマスキングテープを用いた小冊子がカモ井加工紙に送られました。これを見た担当者は、テープが「かわいい」など、従来の工業用の視点では考えられなかった新たな価値があることに気づき、文具・雑貨市場への展開に可能性を感じました。

・その時の担当者の気づきは?
担当者は、女性たちがマスキングテープに見出した美しさや用途の多様性に気づき、工業用だけでなく、文具・雑貨用としても市場があると確信しました。また、この新たな市場では、色や柄のバリエーションが重要であることにも気づき、これを活かした製品展開を進めました。

・その後のスケールの流れは?
小規模なプロジェクトとして始まった「mt」は、女性たちの要望に応える形で多彩な色や柄を揃え、全国の文具店や雑貨店に展開されました。ワークショップやファクトリーツアーなどを通じて「mt」ファンを増やし、マーケティング活動を積極的に行ったことで、事業は急速に拡大し、現在では世界中で愛されるブランドに成長しました。

・なぜこの事例がエフェクチュエーション?
この事例がエフェクチュエーションといえるのは、事前に計画されたものではなく、女性たちとの偶然の出会いから新たな可能性を見出し、行動を通じて成功を掴んだからです。担当者は、工業用テープという既存のリソースを活用し、女性たちの発見をもとに文具・雑貨市場に展開するという柔軟なアプローチをとりました。また、小規模な行動から得られた気づきを確信に変え、リスクを抑えながら事業を拡大していった点が、エフェクチュエーションの「手持ちのリソースを活用し、不確実性を受け入れて行動する」原則を示しています。

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どんな会社にも、
「なぜうちにこんな相談をしてくるんだ?」
と思ってしまうような、
一見的外れ、見当はずれな相談や問い合わせが
くることはあると思います。

しかしそれはひょっとしたら、
エフェクチュエーションでいうところの
「クレイジーキルト」の種かもしれません。

「mt」では、事業化に際して、
工業用とは全くロットが違う
個人用・趣味用マスキングテープの生産のために
新たに印刷工場を探すなどしており、
BtoBからBtoCに展開するための
様々な困難もクリアしています。

しかし、ある時を先に急に見かけることが多くなった
「mt」の大ヒットのスタートが
一般消費者からの工場見学の依頼だったというのは
意外ではありませんか?

第3回以降のエフェ会では、
エフェクチュエーション的な流れで
新規事業を立ち上げた事例や
実際の事業の中での活かし方をまとめた
書籍『エフェクチュアル・シフト』の内容を中心に
勉強会を行います。

今回は
「エフェの始まり -Beginning of Effectuation -」
と題して、
様々な事例の「スタート地点」にフォーカスをして
意見交換も行いたいと思います。

「初めて参加するから不安」という方には
過去の勉強会のアーカイブ動画を公開するので、
そちらを予習していただいてもいいですし、
予習がなくてもある程度わかるように
序盤で基本的な内容の振り返りもしますので
安心してください。

ご興味のある方、
ぜひご参加ください。

第3回エフェ会


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