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GW女川駅前ストリートライブまとめ

2019年4月27日から5月5日までの10日間で行われたGW女川駅前ストリートライブ。計8組の北海道から福島そして宮城県内から集まっていただいた素晴らしいミュージシャンの方々による音楽に溢れた10日間を総括します。

4月27日 春希(Beatbox)

この日は朝から雨が降ったり止んだりのあいにくの天気でしたが外でストリート決行。新潟出身女川在住の「春希」くんです。Beatboxの腕前はなかなかのもの。昨年のHUMAN BEATBOX BATTLE 東北大会ではベスト16に入る実力の持ち主。

何しろその実直で礼儀正しい性格です。女川の駅前商店街シーパルピアでもちょくちょくストリートしているそうでお見かけの際はお声がけを。今後の活動に期待大です。

4月30日 シノブ・Ikasama宗教(アコギ弾き語り)

この日は朝から雨が本降り。ストリートが危ぶまれましたがそこは用意周到。女川みらい創造と女川町商工会のご厚意により、シーパルピア女川内の元Bar OWLの店舗内で行われました。どうですこの箱の中の熱狂ぶり。朝の10:00からの演奏でしたがお客さんも店から漏れ聞こえる熱い演奏に足を止めどんどん中に入ってきてくれました。感謝。それ以上にミュージシャンお二人の求心力の賜物でしょう。

シノブさんは北海道北見市在住のシンガーソングライター。よくぞ遠路はるばる女川までいらしていただきました。北海道始め全国のライブハウスで演奏しており、今回の女川のあとは群馬、埼玉、東京とライブハウスを飛び回る精力的な活動をしています。今回はコンサーティナというアコーディオンに似た楽器とアコギで艶やかな中にも熱いものを感じさせる唄をご披露いただきました。今回の女川でのライブを行う過程や思いなどがシノブさんのブログに詳しく載っています。是非ご一読ください。とても伝わる良い文章です。

そしてIkasama宗教さんは石巻市出身仙台市在住のリアス式地蔵兼自作自演歌手です。バンダナに浴衣という独特な格好で一見演歌歌手かと見紛うほどですが、今回のライブでは一発目からシャウトし客を乗せ、「女川建準行動歌」や「十三浜甚句」などの民謡や唱歌を挟みながら時に激しく時にしみじみとオリジナルを唄っていただきました。これぞまさしくロック。イカ宗さんも仙台にとどまらず全国のライブハウスで精力的に活動しています。今後の日程など詳しく載っているイカ宗さんのブログもご覧ください。

お二人に共通していることは、音楽がいいのは当たり前でそれとともにお二人とも自己を表現する「言葉」を持っていることです。また女川で是非演りたいともおっしゃっていただいています。是非次もお願いします!

5月2日 容器・脱法超電磁高橋(アコギ弾き語り)

この日はやっと晴れ!ただ風が暴力的に強かった。そしてお二人は強い風の中足早に歩くお客さんの足を止めるべくガチなストロングスタイルのそして純粋な形のストリートライブを観せてくれました。

容器さんは仙台市在住のミュージシャンであり、なんと今回が2回目のライブ経験だったそうです。彼もまた経験不足や自分の音楽表現のスタイルとこのような晴天の下お客さんは家族連れでのストリートライブというギャップに悩んだようですが、案ずるより産むが易し、歌い始めから独特な彼の音楽性に引き込まれてしまいました。この女川でのストリートライブで彼は新たに何かを掴んでくれたようで、その意味でもこの駅前ライブはやる意味があったと思っています。ミュージシャンがここ女川という地で演奏することの喜びを語ってくれた時の感激は何にも代えがたいのです。のびしろ十分な彼に今後も期待したいと思います。

脱法超電磁高橋さんは仙台在住のミュージシャン。仙台市始め全国のライブハウスで精力的に活動しています。独特の歌い回しで「われは海の子」始め脱法解釈による斉藤由貴の「卒業」など、ディレイギターと繊細なコード遣いで唄われるカバー・オリジナル曲はまさに唯一無二と言えるでしょう。「これはガチでストロングスタイルなストリートだね」というのは脱法さんの言葉。強風の中なかなか大変だったようですが、だんだんと自分のノリというものを取り戻しいつもと変わらない素晴らしい演奏を聴かせてくれました。そして、女川の味も十分堪能されたようで感謝です。

お二人ともまた女川で是非演りたいとおっしゃっていただいています。是非また女川で演って下さい!

5月4日 ホンタイジ×Yuichi(ベース+Beatbox)

連休最後の二日間は雲ひとつない晴天に恵まれました。そして朝10:00からと午後1:00から、この日は若さが爆発する演奏と相成りました!

ホンタイジくんは女川出身仙台在住のベーシストで仙台市内のストリート始めライブハウスでのバンドのサポートやベースクリニックなどで活躍しています。Yuichiくんも仙台市在住のBeatboxerでAsia Beatbox Championship 2018 Tag日本代表でもある実力の持ち主。彼も仙台市内外で精力的に活動しています。今回はたまに二人で仙台市内のストリートで演っているコラボをここ女川駅前でも披露してくれました。二人とも超絶テクニックで最初から飛ばしまくりです。若いということは素晴らしいことですね。二人とも21歳という若さですがMCも含めとても誠実なライブであり、足を止めてくれたお客さんも多く、今後の活躍も非常に期待されます。どんどん伸びていってほしいと心から願っています。このように20代そこそこの若い層から50代までジャンル問わず年齢層問わずのミュージシャンが一堂に会しているというのも今回のストリートライブの趣旨のひとつなのです。また是非女川で演ってほしい!

5月5日 吉田タンス店(ウクレレユニット)

泣いても笑っても最終日。有終の美を飾るべく現れたのは南相馬からのそよ風。ここは女川駅前ではない。そうここはハワイの海辺の昼下がり。

吉田タンス店さんは福島県南相馬市の夫婦ウクレレユニット。今回はカホンプレーヤーの方も含めた三人でのご出演でした。もともと旦那さんはメタルギタリストであるらしいのですがそんなことを微塵も感じさせないそよ風のような楽曲と演奏で女川駅前をハワイの昼下がりに変えてしまいました。その爽やかな演奏に足を止めるお客さんも多数。ウクレレユニットというスタイルもストリートライブの可能性を広げてくれました。また楽しかったのが旦那さんのMC。震災直後の女川に来た時の印象から現在の姿になった女川に足を踏み入れての感想や同じ震災の被害を大きく受けた相馬でのボランティア活動のことや音楽活動のことまで、とても興味深いお話を聞かせてくれました。吉田さんのように、同じようなスタンスで東北各地で活動しているミュージシャンがいるということがどんなに心強いことか。女川で是非また演りたいとおっしゃってくれています。是非またよろしくお願いします!

5月4・5日 遠藤裕文(テクノポップ)

そして小生もまた最後の二日間ストリートライブに勤しんだのでした。楽しかった。

実はソロでライブする、ましてストリートライブをするなど初めてのことでありましたが、晴天にも恵まれて非常に気持ちよく演ることができました。これまで自分で書いてきた曲のみのセットリストでしたが、「シーパルちゃん」では女川のゆるキャラであるシーパルちゃんとも共演できたり、歌を歌うことの気持ちよさを改めて実感できたりと自分として大変実りの多い二日間でした。また、テクノでストリートライブを演ったらどうなるだろうという解答も自分なりに得られたので、これを機会に今後自分のライブ形式に活かしていければなと思っております。まだまだこれからも面白くなっていきそうです。

そして、これからのこと

出演者の方々、お客さん、そして町の方々の感触も非常によかった今回の女川駅前ストリートライブ。今回のこのストリートライブで何よりも嬉しかったのはミュージシャンの方々が口々に「楽しかった。また女川でライブしたい!」とおっしゃっていたことです。震災以降、町が復興していく中で女川で演りたくても腰が上がらなかったり遠慮したりと言った方々が非常に多かったのだなと実際に皆さんにお会いして理解しました。実際に女川町に在住している自分も町が形作られていく中で震災直後とはまた違った町の空気感になっているという感触を持っており、町で音楽を奏でることが以前のように簡単なことではなくなってきているのも事実です。これは、町が形成され、人がそこに集まり、秩序が形成されていくという過程においては至極当然のことです。しかし、音楽が好きな自分にとって、町にいつも音楽が鳴っていてほしい。という願いがいつもあり、それを同じミュージシャンの立場からなんとか声を上げ、それが同じミュージシャンの方々に伝わり、その助けをお借りしながら少しでも現状を変えていくことができる一助になればという願いが、今回のストリートライブ、そして女川での音楽イベントの計画につながっています。町の復興というキーワードはありますが、もちろんこれは他の自治体も同じことですが、それからもっと飛躍して、女川が本当に音楽を作るにも演奏するにも最高の場所だと思っていただくことが最終目標です。これは音楽家としての僕の目線でも感じていることなのです。音楽を純粋に楽しむことができる場所を作ることが願いです。

今回ご出演頂いたミュージシャンの方々にはこの場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。そしてこれから計画する女川での本番の音楽イベントにも引き続き是非ご出演お願いいたします。そして末長く女川で演奏していただければと願っております。また、女川のよさをお友達のミュージシャンの方々にもお伝えしていただければと願っております。そして、女川みらい創造、女川町商工会、女川町観光協会、女川町役場の方々のご協力・ご厚意がなければ今回の女川駅前ストリートライブを成功させることはできませんでした。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。今後もライブを計画しております。引き続きご協力よろしくお願いいたします。

是非今後の女川ライブの展開にご期待ください。そしてご協力よろしくお願いいたします。

文責:遠藤裕文



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