ジャングルジム
ジャングルジムに登っている。
南側は今はマンション。
ジャングルジムに腰掛ける。
沈む夕陽は優しいのに目に刺さる。
遠くを見つめると、聞こえてくるのは踏切の音。
【みんないなくなったね】
みんな、なんて名前の人知らない。
【追いてかれたね】
帰る場所は人それぞれだよ。
【随分前に引っ越したあの子は元気にしてるかな?】
してるでしょ。私も元気にしてるんだから。
【誰の為に?】
【どうして何も言わないの?】
【みんな言うのにどうして平気な顔をするの?どうして無視するの?みんな私の名前を知ってるよ。どうして笑うの?どうして言わないの?自信がないの?人が怖いの?関わってるのに?言ってもどうしようもないから?】
そう、決めたから。
【誰の為に?】
【どうして何も言わないの?】
【恥ずかしいの?かっこわるいとか思ってるの?大好きは伝えるのに大嫌いは言わないの?好きな音楽も聞けないのに?好きな表現も出来ないのに?ずっと私は隣にいたのに。どうして気が付かないふりをするの?どうして溢れた物を抑えるの?言っちゃダメなの?】
うるさいなー。
アンタ
春になると忙しそうだね。
どうして何も言わないの?
まぁ
ゆっくりしていきなよ。
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