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住めなくなった家~Last Letter~

いこんにちは!こんばんは!
今月の小松未歩さんのテーマ曲は「Last Letter」です。
今回の考察小説は強い女性が登場します。
むしろ男性が酷いですね(笑)

それではどうぞ


「俺と温かい家庭を築いていこう。」
早くに両親を亡くした私にとって家族は憧れそのものだった。仕事の関係で出会った彼は優しくて一緒にいると安心した。
    でも、結婚生活は思い描いていたものとは全く違っていた…。
    毎週のように義実家へ呼び出されては家事をやらされ、記念日でもないのに義両親へプレゼント(高価なもの)。最悪だったのは、義両親と行く旅行(高級旅館)。もちろん、代金は全額こっちもち。
彼に相談しても、
「いいだろう?それぐらい。うちの両親はお前のことを本当の娘のように思ってるんだよ。」
    とまるで役に立たない。むしろ、
「俺の両親をもっと大事にしろ!」
   とまで言ってくる始末。
最初は優しかった義両親も段々と本性が見え始め、数カ月しか経ってない結婚生活に後悔し始めていた。

    そして、結婚してから初めての私の誕生日に事件は起きた。
    朝から出掛けようという彼について行く。行先は初デートで訪れた公園だった。かと、思いきや彼はその公園を通り過ぎその先の角を曲がったところで彼は立ち止まる。私の目の前には立派な二世帯住宅があった。その家を眺めていると、彼がテンション高めに、
「じゃぁーん。サプラァーイズ!両親と俺たちとで住む家をプレゼントでぇーす!」
    私が何も言わないのをいいことに彼は続けて
「来週には住む予定でさ、両親も今いるところを引き払って来るからさ。お前は先に部屋に戻って荷造りしといて。」
    とほざきやがる、私は笑いながら
「荷物、まとめておくから待ってて。」
    そういい言い。帰宅した。
    あらかじめ必要最低限の荷物だけまとめていた私は離婚届と弁護士の名刺をテーブルに置き、既に契約していたマンションへと向かった。

    実は新築の家のことは偶然にも彼と義両親が話しているのを聞いてしまった。
「あの子は両親がいないから、離婚して出てっても行くあてなんか無いのさ。だから、あの子の稼いだ金は全部私たちが使っても問題ない。」
「じゃぁさ、あいつの金で家でも建てようぜ。」
   今まで義両親に好かれようと頑張ってきたのに、あいつらは私を小間使いとしか見ていなかったのだ。

    私は彼らに逢えないことでむくわれることができた。
    その後は弁護士をはさみ、無事離婚することができた。向こうは色々ごねたようだけど、モラハラなどの証拠を突きつけられたら大人しくなった。私は決別する意味も込め、彼が好きだと言ってくれた長い髪を切った。

    離婚から半年が経ち、短い髪の毛にも違和感がなくなってきたころ。当時お世話になった弁護士から彼から手紙を預かったという知らせが来た。手紙の内容は、
・せっかくお前のために建てた家なのにその費用が払えずそのまま売りに出したこと。
・今は両親と3人で安く狭いアパートに暮らしていること。
・出逢った日(ころ)のお前はもう帰らないのか?やっぱりお前には俺が相応しい。やりなおしたい。
    といった内容だった。
    手紙は彼が泣きながら書いていたのか、文字がところどころ滲んでいた。

    弁護士から手紙を受け取った私は、彼らは住むはずだった家の前に来ていた。すぐ近くの公園にあるベンチに腰掛けその手紙をできるだけ小さく破いた。

    彼らは自分たちが住むはずだった新築一軒家のローンを払っていく。今まで私に散々酷いことをしてきた報いだと思った。

これがすべての結末。
舞い散る紙吹雪を見ながら私はおどけて笑うのでした。

ざまぁみろ(笑)


ということで今回は
「旦那と義両親にひどい仕打ちをされたので仕返ししてみた」
と言った感じで書いてみました。

今回なぜこのような形にしたかと言いますと
歌詞の中に出てくる
「あの日はもう帰らない」という部分
これを主人公ではなく相手側言ってたらどうなるだろう?と想像したところから相手が酷い奴が思い浮かびました。
涙で邪魔してたのは主人公ではなく相手の涙。
次の角には住むはずだった新築一軒家。
私を許さなくていい。こっちは許す気なんてないんだから。
と、最後ちょっと書いてて面白くなってきたので
「ざまぁみろ」と明るめに終わりました。

最初は主人公の悲観的な視点で書こうかと思ったんですが、
視点を変えてみたらまさかの主人公がスカッとする形になりました。


他のラジオメンバーはどのような仕上がりになったのでしょうか?
では、12月20日のラストレターナイトでお会いしましょう!

でわでわ👋