来週末に二重になる話

クリニックには11時に電話を掛けた。「本日からキャンセル出来ませんのでご了承ください」との事だった。1週間後、わたしは二重になるらしい。

顔も含めて、自分の持ち物はどれも好きではない。というか、主体的に関われないものに愛着を抱くことは難しいのだ。どれだけ頑張ったってハンドボール投げは1桁だし、友達は上手く作れない。逆に何をしても/しなくても成績は変わらない。人生には「何もしなくてもできること」と「どう足掻いても越えられないこと」のふたつしかない、と結論づけてから数年経ったのに、まだまだ贅沢にも悩み続けている。

でもそんな日々の中にもときどき「頑張ってハードルを超えた(ように思える)経験」が現れる、らしい。弱点を克服して勝った大会だとか、(当社比)真面目にやって進学した学科だとか。そんな風に稀にあるラッキーパンチを「努力できないダメな人間じゃない証」として後生大事に抱えながら生きてしまう。そろそろやめたい。

自分じゃ何も変えられないなんてそんなことはないはずで、頑張ることは素晴らしいけど、それを神聖視して雁字搦めになるのは我ながら「さっさと出ておいで」と言いたくなる。世の中は絶対もっと複雑にできていて、シチュエーションを変えるやり方なんていくらでもある。絶対に。

来週の金曜日、麻酔を打たれて瞼を縫われるらしい。想像したらちょっと怖いが、現代医療のことはそこそこ信頼している。
別に目の上に一本線が生えたくらいで可愛くなれたり全てがどうにかなったりするほど甘くはないんだけど。
自分じゃコントロール出来ない沢山の持ち物に対して、「気合」や「努力」以外の解答を提出する第一歩ではあるかもしれない。たぶん。


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