かわいい私の彼は佐久間くんって言います ☆7☆
じゃあ、そろそろ帰るね。
寝てしまった隙をついて帰ったらすっかり拗ねられてしまったので、きちんと顔を見てさよならをすることにした。
「やっぱり帰っちゃうの?」
寝ていようが起きていようが、この件は避けられない。
カーテンにぐるぐる巻きになって隙間からしょんぼりした顔を覗かせている。
そんなかわいいことしても、だめだよ。
「かわいい?やったー」
巻きつけたカーテンからくるくると回りながら出てくると、なぜか靴下を履いてジャージを羽織り出かける支度を始めた。
コンビニ?
乗せて行ってもいいけど、帰りは1人よ?
「海が見たい。ちょっとだけでいいから」
は?海?
「ちょっとだけでいい、海までドライブしよう。海に着いたらすぐ帰るから」
「もうちょっとだけ、一緒にいたいよ」
わかった、ちょっとだけだよ?
海に着いたらすぐ帰るからね?
「にゃはは、やったぁ」
まったくもってけしからん小悪魔みたいな手口を使う、かわいい私の彼は佐久間くんって言います。
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