見出し画像

eバイクで大野山に登ってみた

天気が良かったのでeバイクでどこかに行くことにした。富士山が見える場所、ということで最初は矢倉沢方面に行くつもりだったが、新松田駅からの道行きの途中でふと大野山が見え、そういえば山頂まで舗装された道路があったなと思い出したことから、目的地変更となった。

経路は基本googleマップに任せている。大野山までの道はつづら折りになっていて、いかにも激坂という感じだ。ひとまずトライして、無理ならば引き返せば良いということにする。

途中で松月堂という和菓子屋に立ち寄った。以前一度来たことがあるが、名物らしいコーヒー大福というのが売り切れていて食べ損ねた。我ながら執念深いことだが、今度は購入することができた。すぐに頂いても良いが、山頂に着いた時のご褒美とした方が良いだろう。松月堂はよく言えば歴史を感じさせる、悪く言えばやや寂れた感じの和菓子屋だ。今食べておかないと、いつまでもあるとは限らない、という心理が働いてこういう店を見るとついつい入ってしまう。場所が良い。坂道の途中のちょうど一息入れたくなるようなところにある。もとは峠の茶屋から始まったのではないか。実際に峠の茶屋というものがあったのかどうかは知らないけれど。

山北駅を超えるともう店の類はない。ひたすら坂道を登る。山の形や以前ハイキングした時の経験から、序盤の坂道のほうが急でだんだん緩やかになると予想したが、その通りになった。eバイクで遠出をするときは基本ツーリングモードを使うことにしているのだが、序盤の坂道に対応するためにはスポーツモードでないと無理。とはいえ低めのギアを使えばそれほど力をかけずに激坂をぐんぐん登っていける。こういう感覚はeバイクならではの楽しみではないか。そば処ふか沢の辺りまで来ると景色が開けて、伊豆大島や大涌谷が見渡せた。ふか沢にも寄ってみたが、既に営業終了時刻になっていたので次回の楽しみにする。かどやファーム近くで見かけたポニーが可愛かった。

15:30を過ぎていたためか、山頂には誰もいなかった。オレンジがかった光に富士山が照らされて綺麗だったが、あまりのんびりしているとすぐに暗くなる。先週の三ノ塔では復路が真っ暗闇になってしまったので、今日は少し早めに帰路につくことにしよう。椅子を組み立て、サーモスで持参したお湯をカップヌードルに注ぎ、途中の自販機で買ったコーヒーをバーナーで沸かす。気温は低かったが日光が横から照りつけ、風もなかったので寒い思いはしなかった。椅子に座って富士山を眺めながらカップヌードルを食し、コーヒーを飲んだ。サーモスの湯でカップヌードルを作ることは今日のテーマの一つであったが、結果は良好。素早く簡単に調理できて、温度も十分暖かかった。バーナーが空くので別のものに使えるのは大変便利。冬場はこの方法を定番にしよう。デザートにコーヒー大福を食した。想像していたよりも美味しい。次回松月堂に行ったら箱で買おう。

帰路に着くまでは全て順調だったが、出発してすぐに前輪のエアが抜けていることに気がついた。携帯ポンプで空気を入れてしばらく走行したが、途中で再度エアを入れようとしたところでうっかりバルブを破壊してしまい、走行不能となった。焦ってリカバリしようとしてかえって状況を悪化させる典型的なパターン。替えのチューブは持参していないし、エアを入れようとして時間がかかり結局周囲が真っ暗になってしまってもいたため、修理は諦めて手押しで下山となった。ヘッドライトを持参していたことは不幸中の幸いで、仮にeバイクのバッテリーが空になったとしても周囲を照らしたり、自動車のドライバーに存在を気づかせることができる。今後もヘッドライトは必ず持参するようにしようと決意した。

最寄りの山北駅に到着したのは18:00過ぎ。20kgあるeバイクの手押し行軍だったが、坂道を下る一方だったため、疲労はほとんどしなかった。途中で登りのあるルートだったらもっと苦労していただろう。ラッキーだった。目の前で電車が行ってしまったため、次の便まで30分強の空き時間。デイリーヤマザキに休憩スペースがあったため、ありがたく使わせてもらった。甘酒を売っていたので買ってみたが、ちょっと甘ったる過ぎた。

初めて大きめのトラブルに見舞われた回だったが、山頂の富士山の眺めは素晴らしかったし、サーモスでカップヌードルを作ることにも成功したので、満足感の高いeバイクチェアリングだった。タイヤのエアが抜けた時に走行不能になるのは当たり前だが、eバイクの場合普通の自転車よりも人里離れたところに行きがちで重量もあるため、リスクが大きくなることは今後の計画の際に考慮するようにしよう。また、Vektron特有の影響になるが畳んだ後の転がし移動がしにくくなったり、スタンドで安定して立てられなくなったりするのは発見だった。次回からは替えのチューブを持参しよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?