亀甲縛り問題を考える
みなさんこんにちは、縛師のたかせ秦之助です。
タイトルにもありますが、皆さんは「亀甲縛り」というものをご存じでしょうか?
おそらくですが、日本で生まれ育った成人であれば、ほとんどの人が聞いたことくらいはあるんじゃないでしょうか。
ちなみに、既に緊縛を嗜まれている紳士淑女におかれましては、おそらく知人に緊縛の話をした時に、「亀甲縛り的なアレ?」なんて返されることは、もはや日常茶飯事かと思われます。
知人から家族からフルオープンなたかせに至っては、数十回は浴びせられております。
これ、まぁ問題というほど困ったものでもないのですが、少しなりとも緊縛を関わる人においては、毎回ちょっとイラっとする問題だったりします。
問題点は大きく3つほどあります。
菱縛りとの混同問題
実用性がほとんど無い問題
緊縛の本質から遠すぎる問題
これらについて、まずは深ぼって解説させていただきます。
1. 菱縛りとの混同問題
亀甲縛りというのは、文字通り亀の甲羅の模様に似ていることからそう呼ばれているのですが、亀の甲羅は下図の通り、真ん中は六角形の並びとなっています。
故に、亀甲縛りにおいては六角形のつくることが肝要となります(実際の甲羅と亀甲縛りとでは、六角形の向きは異なりますが)。
一方、亀甲縛りと似たもので、菱縛りと呼ばれるものがあります。
亀甲縛りが六角形をつくるのに対して、菱縛りでは菱形(四角形)をつくります。
この亀甲縛りと菱縛りが混同されてしまうことが多くて、勘違いされていても大した問題じゃないっちゃないんですが、緊縛を嗜むものとしては、実用性の面では全然別物くらい違うものでして。
イチイチ訂正するのも大人気ないしめんどくさいし、だけど訂正しないのもモヤモヤするという塩梅の事案で、毎回地味にストレスを感じてしまう案件だったりしています。
2. 実用性がほとんど無い問題
前項で実用性に言及しましたが、菱縛りというのはいろんなパターンがありまして、モノによっては実用性を伴うものも多数あります。
この実用性ってなんなのかという話は、次項の緊縛の本質で説明したいと思いますが、亀甲縛りというのは、とにかく実用性が低いがゆえに、実際の緊縛シーンで用いられることは滅多に無かったりします。
それこそ、暇潰しの余興程度にしか実演されることはないです。
いわば、緊縛の世界においてはどマイナーもいいところで、これが一歩でも緊縛の世界の外に出ると、トップオブトップの知名度を誇る緊縛の代表選手かのような扱われよう。
このギャップに、僕らはいたたまれないような気持ちになってしまうのであります。
3. 緊縛の本質から遠すぎる問題
緊縛の本質とはなんぞやという話は、ある程度人により価値観の異なるところではありますが、いくつかの要素を挙げてみます。
緊縛は、拘束する技術である
→ 亀甲縛りでは拘束できません。緊縛は、身体を圧迫する技術である
→ 亀甲縛りでは圧迫できません。緊縛は、見た目にも美しいものである
→ 亀甲縛りではあんまり美しくなりません。緊縛は、縛り手の所作も美しいものである
→ 亀甲縛りにおける縛り手の所作はまぁまぁ微妙になります。
どういうことかというと、亀甲縛りというものは、少なくとも現代における緊縛のセオリーから、ことごとく外れたつくりをしておりまして、普段の緊縛における所作や概念がほぼほぼ通用できません。
つまり、実際にやるのはめんどくさい上にほとんど意味がない、みたいな感じになります。
なぜ亀甲縛りの知名度が高いのか
不明です…
まぁ見た目にキャッチーで、名前もわかり易いから、なんですかね…
なんにせよ、AVの現場はさておき、日常で緊縛を嗜む方々の中で、亀甲縛りを余興以外で行う人は、ほとんどいないんじゃないかと思います。
そんな滅多にベンチ入りすらもしないような控えの選手に、知名度において大敗北しているあたりが、すんげぇ悔しいんです。
そんな打倒亀甲縛りに挑むイベントが、2月10日にありますので、奮ってご参加くださいませ。
いつか亀甲縛りに代わる緊縛の代名詞となる何かを生み出せる日を夢見て、これからも精進してまいりたい次第です。
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えんいー
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