北野映画っぽい話

2022年10月。
いわゆるベンチャー企業と呼ぶのでしょうか。
同い年の人間が代表を務める会社に転職しました。

入社して1年経った今年、2023年10月エリアマネージャーという役職に就くことになりました。

今年なにしたっけな。休みが少なく、かと言って休みの日は特にする事も無く、ただ、収入は少し増えた。
杉並区から千葉市に引っ越したので知り合いも近くに居らず、1人で行けるような居酒屋も無い。

休日はただ動画をみながら飯食って昼寝して、起きたら飯食って動画みて日が暮れたら缶チューハイを飲んで寝る。

非リア充。まあ、これもコレで楽しいのだが。
しかしそんな日々、、、

何も残らない♪壊れかけのレディオみたいにひとりごとを言ったりもした。

ある日、農家をしていて埼玉を東京だと思っている高校の同級生からLINEが届いた。


元気してる？


元気よー！


ならよかった
実は今日母さんが亡くなった。今とてもとても寂しい。
心が折れそうでいけん。


大変だったな。。。大丈夫か？


わからない
しんどくて



大丈夫か？じゃ、ねーよ！今すぐ電話しろよ！

うるせー！感情で物事言うんじゃねぇ！
本人達が1番大変だろう！
わかるだろ！こう言う時、
かなしい、寂しいのに！なんか手続きとか色々あるの。

、、、


彼にあいに行こうと思った。

は？カッコつけんな。
確かにカッコいいが。優しい風だが。

久しぶりにあいたいなぁ。
(久しぶりにあいたいなぁ)



すぐには休みが取れず、4ヶ月後2連休が取れて彼にあいに行った。

新幹線に乗って行った。

駅まで迎えに来てくれた。


お〜。ひさしぶりやのう。


メッシュのTシャツ、首が焼けないためのマントがついた帽子を被っていた。ファーマースタイルだ。


車までちょっと歩くけどえーえ？


おう。太ったな。


気の利いた言葉は見つからず。
車まで歩いた。





ついた。ちょっと挨拶してこうにゃ。
いつも種買ってるんでの。

あ、店長ありがとうございました。
これ、駐車代。


んあー！いいけん、いいけん！そんなん！
社長が止めて良いってゆったけん！
そんなしないで！


ほんと？
ほな。スミマセン。ありがとうございます！
これ、高校の同級生！


おおー！前ゆうてた！


こんにちは〜、、、。

またまた言葉出ず。人見知り。


彼の運転で彼の家に向かった。

土臭いファミリーカー。
後ろの席は布団が積んであり、介護してたんだなぁという雰囲気が残っていた。

助手席に座る僕。
運転しながら彼が僕の前のダッシュボードから手紙を5枚取り渡してきた。


これ、香典くれた奴らに渡しといてくれん？


！おれが、、、お、おう。おっけー。


この日のためにマックスバリューで予約していたらしい刺し盛りを受け取ってつまみを買って山奥の家に着いた。


温泉行こか！


銭湯だった。

壁がプラスチックのサウナに入った。

壁を叩くと熱い水滴が降ってきた。

お互い不意をついて壁を叩いてあつあつ水滴攻撃をやり合った。





電波はauしか届かない山奥。森と畑、ぽつんポツンと瓦の三角屋根の一軒家たち。

家に戻ると親父さんが玄関の前で待っていた。

花火はいつやるん？飯食ってからか？


先にやろうか。ご近所さんは遅番だから大丈夫や。

2人で花火をした。


彼がニヤニヤしながら、火の着いた花火を持っていた。

おまえ高校んときオシリにはさんでたよなぁ！

楽しかった。
花火をして畳の部屋に案内された。
夏なのにこたつだった。

横には仏壇があった。


まあ、あした線香でもあげてやって。


マックスバリューの刺し盛り、冷蔵庫からはストロングゼロ。


こたつを囲む彼、親父、ぼく。


じゃあ、。かんば、ぁ　、い！


僕はストロングゼロを3回ごくごくした。

彼はストロングゼロを半分くらい飲み干していたのち、白身魚を食べて白飯をかっ込んだ。


こんなんええ刺身滅多にないよのう！
(くちゃくちゃ)

ふふ、と親父。
わしゃ寝るけん、おまえ、明日畑に水やれよ。


2人にしてもらった。


親父がいたから言えなかったがこたつの毛布に猫のうんこがあった。

おい、猫のうんこあるぞ！


あぁーごめんごめん！


片付ける気は無いようだ。


おまえ、そんな勢いでストロング飲んで大丈夫？
おれストロング飲むと大体覚えて無いんだけど。。。


わしゃぁ大丈夫よ。たまに朝気持ち悪い時あけどの。
でも、物忘れはするよのぅ。
この前、猪の猟の試験受けた時たぬきって字が書けんかった。


まあ、狸はしょうがないだろ！
おれ、今でも書けんもん。

よのう。わしも　ヌ　が書けんかった。

ぬ！？
ひらがなの？！
漢字じゃなくて？！
、、まあ、たしかにむずいか。
め　とか　む　と似てるからな。

カタカナの。ヌがようでんかった。


君と僕は一生の友達なのさ。


気がついたら朝だった。

こたつで寝ていた。

彼の姿が無かった。

猫のうんこはあった。

原付に乗って彼が現れた。
ちゃんと畑に水をやりに行ってたようだ。

こたつの上にはストロングの空き缶が8本あった。
それを片付けず朝食が始まった。

農家の米と烏骨鶏の卵かけご飯。

ご飯をよそわれて。


烏骨鶏の卵なんて、なかなか食えんで。
カッカッ
あー！こりゃ血が混ざっとる。危ない。


大丈夫じゃない？


あたっても文句言わんならの！


じゃあ、いいです。


この日は観光して帰るつもりだったたが朝から雨。

親父さんから2リットルの麦茶を貰い、彼に新幹線の駅まで車でおくってもらった。

新幹線までの時間飯を食うことにした。


ラーメンとお好み焼きどっちがえーえ？


どっちも食べる！


えらいたべよるのぅ。
わし、この辺で飯食わんけん、種屋さんに聞いてみよ。


種屋さんオススメのラーメン屋に行った。


麺硬めで！


あ、僕は普通で。





お待たせしました〜。


チャーチューがうまそうやのぅ。
あつぅ！
スミマセーン、お皿下さい！


お前猫舌だったのか。
取り皿で麺を冷まして食べていた。
冷ます時間があるから麺硬めだったのか。




うまかったのぅ。
次はお好み焼きか！

駅周辺を1時間ほど歩いたがお好み焼き屋さんは全部休憩していた。


しょうがないんじゃないの。
またラーメンくーう？


そうだなー。


ここは食券なんね。




お待たせしました〜。




んふふ、わりーけどさっきの方がおいしいね。


シー！
そうだけど！


もっかいあそこでも良かったの。


わかった！シー！そうだけど！





そのあとはベンチで座って、何か話したが覚えてない。

港もあってそこにはクラゲがメチャクチャいたのだけ覚えている。




新幹線の時間だ。

改札でバイバイと思っていたら入場券を買って入ってきた。


駅のホーム。

東京でがんばりぃや！
楽しい時間は早いのぅ。


んあー、そうだな。
あ！線香あげるの忘れた！


ええ！ええ！そんなんで母さん怒らんけえ。
また来た時にあげてあげて！


おっけい！
また！、、、また！


ドアが開き、窓際の席に座った。


気ぃ、つけて！


出発に合わせて走ったりするなよー、、、、。デブだからそれはないか。


窓の外から子供みたいなフォルムの彼が力強くバイバイと手を振っている。
見えなくなる直前、どこで覚えたのか。親指と人差し指でハートマークを作った。


はあ、良い休日だった。





千葉市に戻り、現実。

いつもの日常だ。
近くのコンビニで酎ハイとあたりめを買った。今日のレジ店員の名はサンダルワンだ。

いつも働いているインド人ぽい人。
変な名前だが、かたっぽのサンダルが思い浮かぶので覚えている。


おっとタバコをかいわすれた。



すみません。12番。
同じくインド人ぽい人がレジをしてくれた。
名札を見るとそこにはカタカナで。







ダンカン




バカヤロウ。
ラジオネーム、ボミットメイド・シナデクロです。

もぐらさん、かたまりさん、越崎さん、永井さん、こんばんは。

彼女が欲しいです。