特例法のmaleは、male



結論、特例法maleは、male専用スペースを利用する義務がある。








経産省トイレ事件

上告人は、平成21年7月、上司に対し、自らの性同一性障害について伝え、同年10月、経済産業省の担当職員に対し、女性の服装での勤務や女性トイレの使用等についての要望を伝えた。 
これらを受け、平成22年7月14日、 経済業省において、上告人の了承を得て、上告人が執務する部署の職員に対し、上告人の性同一性障害について説明する会 (以下「本件説明会」 という。)が開かれた。

担当職員は、本件説明会において、上告人が退席した後、上告人が本件庁舎の女性トイレを使用することについて意見を求めたところ、本件執務階の女性トイレを使用することについては、数名の女性職員がその態度から違和感を抱いているように見えた。 
そこで、担当職員は、上告人が本件執務階の一つ上の階の女性トイレを使用することについて意見を求めたところ、女性職員1名が日常的に当該女性トイレも使用している旨を述べた。

説明会におけるやり取りを踏まえ、本件庁舎のうち本件執務階とその上下の階の女性トイレの使用を認めず、 それ以外の階の女性トイレの使用を認める旨の処遇 (以下「本件処遇」 という。)を実施することとされた。

上告人は、 本件説明会の翌週から女性の服装等で勤務し、 主に本件執務階から2階離れた階の女性トイレを使用するようになったが、 それにより他の職員との間でトラブルが生じたことはない。

また、上告人は、 平成23年1月、 家庭裁判所の許可を得て名を現在のものに変更し、同年6月からは、 職場においてその名を使用するようになった。

上告人は、 平成25年12月27日付けで、 国家公務員法86条の規定により、職場の女性トイレを自由に使用させることを含め、 原則として女性職員と同等の処遇を行うこと等を内容とする行政措置の要求をしたところ、 人事院は、 同27年5月29日付けで、いずれの要求も認められない旨の判定 (本件判定。 以下、本件判定のうち上記のトイレの使用に係る要求に関する部分を「本件判定部分」という。)をした。

原審は、上記事実関係等の下において、 要旨次のとおり判断し、 本件判定部分の取消請求を棄却した。




経済産業省において、本件処遇を実施し、 それを維持していたことは、 上告人を含む全職員にとっての適切な職場環境を構築する責任を果たすための対応であったというべきであるから、 本件判定部分は、 裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえず、 違法であるということはできない。





しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。 その理由は、 次のとおりである。

(1) 国家公務員法86条の規定による行政措置の要求に対する人事院の判定においては、広範にわたる職員の勤務条件について、 一般国民及び関係者の公平並びに職員の能率の発揮及び増進という見地から、 人事行政や職員の勤務等の実情に即した専門的な判断が求められるのであり (同法71条、 87条)、 その判断は人事院の裁量に委ねられているものと解される。 
したがって、 上記判定は、 裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したと認められる場合に違法となると解するのが相当である。

これを本件についてみると、本件処遇は、 経済産業省において、 本件庁舎内のトイレの使用に関し、 上告人を含む職員の服務環境の適正を確保する見地からの調整を図ろうとしたものであるということができる。

そして、 上告人は、 性同一性障害である旨の医師の診断を受けているところ、 本件処遇の下において、 自認する性別と異なる男性用のトイレを使用するか、 本件執務階から離れた階の女性トイレ等を使用せざるを得ないのであり、 日常的に相応の不利益を受けているということができる。

一方、上告人は、健康上の理由から性別適合手術を受けていないものの、女性ホルモンの投与や≪略≫ を受けるなどしているほか、性衝動に基づく性暴力の可能性は低い旨の医師の診断も受けている。現に、 上告人が本件説明会の後、 女性の服装等で勤務し、本件執務階から2階以上離れた階の女性トイレを使用するようになったことでトラブルが生じたことはない。 


また、 本件説明会においては、 上告人が本件執務階の女性トイレを使用することについて、 担当職員から数名の女性職員が違和感を抱いているように見えたにとどまり、明確に異を唱える職員がいたことはうかがわれない。 さらに、本件説明会から本件判定に至るまでの約4年10か月の間に、 上告人による本件庁舎内の女性トイレの使用につき、 特段の配慮をすべき他の職員が存在するか否かについての調査が改めて行われ、 本件処遇の見直しが検討されたこともうかがわれない。

以上によれば、遅くとも本件判定時においては、 上告人が本件庁舎内の女性トイレを自由に使用することについて、 トラブルが生ずることは想定し難く、 特段の配慮をすべき他の職員の存在が確認されてもいなかったのであり、 上告人に対し、 本件処遇による上記のような不利益を甘受させるだけの具体的な事情は見当たらなかったというべきである。 そうすると、本件判定部分に係る人事院の判断は、本件における具体的な事情を踏まえることなく他の職員に対する配慮を過度に重視し、上告人の不利益を不当に軽視するものであって、 関係者の公平並びに上告人を含む職員の能率の発揮及び増進の見地から判断しなかったものとして、著しく妥当性を欠いたものといわざるを得ない。

したがって、 本件判定部分は、 裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるというべきである。

以上と異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、 原判決中、 本件判定部分の取消請求に関する部分は破棄を免れない。 そして、 以上に説示したところによれば、 上記請求は理由があり、これを認容した第1審判決は正当であるから、 上記部分につき被上告人の控訴を棄却すべきである。

なお、 上告人のその余の上告については、 上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので、 棄却することとする。

よって、 裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 なお、 裁判官宇賀克也、同長嶺安政、 同渡邉惠理子、 同林道晴、 同今崎幸彦の各補足意見がある。

裁判官宇賀克也の補足意見は次のとおりである。

本件で第1審と原審とで判断が分かれたのは、① 上告人が女性ホルモンの投与や ≪略≫等により女性として認識される度合いが高いことがうかがわれ、 その名も女性に一般的なものに変更されたMtF (Male to Female) のトランスジェンダーであるものの、戸籍上はなお男性であるところ、このような状態にあるトランスジェンダーが自己の性自認に基づいて社会生活を送る利益をどの程度、重要な法的利益として位置付けるかについての認識の相違、及び ② 上告人がそのような状態にあるトランスジェンダーであることを知る同僚の女性職員が上告人と同じ女性トイレを使用することに対する違和感 羞恥心等をどの程度重視するかについての認識の相違によるのではないかと思われる。

本件を検討するに当たって、上告人が戸籍上はなお男性であることをどのように評価するかが問題になる。
本件で、経済産業省は、上告人が戸籍上も女性になれば、トイレの使用についても他の女性職員と同じ扱いをするとの方針であったことがうかがわれるが、現行の性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の下では、上告人が戸籍上の性別を変更するためには、性別適合手術を行う必要がある。

これに関する規定の合憲性について議論があることは周知のとおりであるが、その点は措くとして、性別適合手術は、身体への侵襲が避けられず、 生命及び健康への危険を伴うものであり、経済的負担も大きく、また、体質等により受けることができない者もいるので、これを受けていない場合であっても、可能な限り、 本人の性自認を尊重する対応をとるべきといえる。 

本件においても、上告人は、当面、性別適合手術を受けることができない健康上の理由があったというのであり、性別適合手術を受けておらず、 戸籍上はなお男性であっても、 経済産業省には、自らの性自認に基づいて社会生活を送る利益をできる限り尊重した対応をとることが求められていたといえる。

経済産業省は、職員の能率が充分に発揮され、かつ、その増進が図られるように服務環境を整備する義務を負っているところ (国家公務員法71条1項)、庁舎内のトイレについて、上告人の自らの性自認に基づいて社会生活を送る利益に配慮するとともに、同僚の職員の心情にも配慮する必要がある。 

本件で経済産業省が、 女性職員が上告人と同じ女性トイレを使用することに対する違和感・羞恥心等を重視してとった対応が上告人の自らの性自認に基づいて社会生活を送る利益に対する制約として正当化できるかを検討すると、法廷意見が指摘するとおり、 上告人が女性トイレを使用することにより、トラブルが生ずる具体的なおそれはなかったと認められる。

こうした種々の課題について、よるべき指針や基準といったものが求められることになるが、職場の組織規模、施設の構造その他職場を取りまく環境、職種、関係する職員の人数や人間関係、当該トランスジェンダーの職場での執務状況など事情は様々であり、一律の解決策になじむものではないであろう。

現時点では、トランスジェンダー本人の要望・意向と他の職員の意見 反応の双方をよく聴取した上で、職場の環境維持、安全管理の観点等から最適な解決策を探っていくという以外にない。 

今後この種の事例は社会の様々な場面で生起していくことが予想され、それにつれて頭を悩ませる職場や施設の管理者 人事担当者、 経営者も増えていくものと思われる。 

既に民間企業の一部に事例があるようであるが、今後事案の更なる積み重ねを通じて、標準的な扱いや指針、基準が形作られていくことに期待したい。

併せて、何よりこの種の問題は、多くの人々の理解抜きには落ち着きの良い解決は望めないのであり、社会全体で議論され、コンセンサスが形成されていくことが望まれる。

なお、本判決は、トイレを含め、不特定又は多数の人々の使用が想定されている公共施設の使用の在り方について触れるものではない。 

この問題は、 機会を改めて議論されるべきである。

(裁判長裁判官今崎幸彦裁判官宇賀克也 裁判官 林道晴 裁判官 長嶺安政 裁判官 渡邉惠理子)


経産省の女子トイレ。
男女共用のみになるけど、いいよね?
嫌だって言ったら、アルファベットマフィアに殺されるんだから。
でも、それは女子差別撤廃条約違反だから、自民党、国民、立法がんばれよ。
By 最高裁


特例法male


特例法に基づく性別変更により、法的には「生物学的男性」が「法的女性」として取り扱われます。この変更に伴う法令上の取り扱いについて、民法や他の法令の適用においては「法的女性」と同じ権利と義務が適用されます。特例法以外の法令で異なる規定がある場合、その法令に従わなければなりません。

性別変更適用は戸籍に限定され、変更後の法的権利は維持されます。
身分関係や権利義務には変更前に発生したものへの影響は及ぼされませんが、特例法以外の法令において別段の規定がある場合はその法令に従う必要があります。

特例法に基づく性別変更後も、法的女性として否定されず、ジェンダー表現への尊重が求められます。

ただし、生物学的な性別に基づく風紀維持や国際法規範に基づく対応が必要であり、登録された性犯罪者が性別変更を行っていた場合には、法的手続きに基づいて登録が行われ、対応が課せられます。



(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)


第四条 性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定の適用については、法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす。

2 前項の規定は、法律に別段の定めがある場合を除き、性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。



第4条: 性別の取扱いの変更適用を受けた者に関する法令上の取扱い


1. 性別の変更適用による法令上の取扱い

背景説明: 

例えば、特例法に基づき
『生物学的男性』が
『戸籍法上での法的女性』としての、
性別の取り扱いの変更適用を取得した場合を考えます。


法的効果:
当該『生物学的男性』は、民法や他の法令において、『法的女性』と同じ法的権利と義務を享受します。

例えば、契約締結、財産の処分などが、通常の『法的女性』と同じ法的効果を持ちます。





別段の定めの例外:

ただし、特例法において特別な規定がない限り、他の法令において別段の定めがある場合は、その定めに従わなければなりません。

例えば、別の法令が『生物学的男性』に特定の権利を制限する場合、それは引き続き適用されます。



2. 規定の有効期間と身分関係・権利義務への影響 


有効期間の考慮:
性別の変更適用は、変更適用後、
また当人の戸籍に限定されています。

変更審判を受けた場合には,申立人を筆頭者とする新戸籍が編製され(戸籍が申立人単独のものである場合は新戸籍は編製されません。)
父母との続柄欄が更正されます。
なお,従前の戸籍における他の兄弟等の父母との続柄欄は訂正されません。この期間内に取得された法的権利は維持されます。


身分関係及び権利義務への影響:
性別の変更適用の前に発生した身分関係や権利義務には影響が及びません。

例えば、『生物学的男性』として性別の変更適用前に弟がいる場合、特例法の適用後もその家族関係は変更されず、既存の法的効果が維持されます。



別段の定めの例外:
ただし、他の法令において別段の定めがある場合は、その法令の規定に従わなければなりません。


例えば、他の法令が『生物学的男性』としての『法的性別』を別の条件で規定している場合、それが優先されます。

このように、第4条は特例法に基づく性別の変更適用に伴う法令上の取扱いを規定し、その効果や影響について明確にしています。




『生物学的男性』である『法的女性』による『陰茎の挿入』による『強姦』


性別の変更適用後も、『生物学的男性』として『弟』に対しては『兄』であり、その『娘』は『姪』である。

その『姪』へ、『生物学的男性』として、口腔や肛門、膣への性器挿入の強要をした場合。
特例法の『法的女性』つまり『生物学的男性』による膣性交等の強要として裁かれる。

特例法として『生物学的男性』が『法的女性』に変更適用されても、『生物学的男性』であることに変更はない。


『男性刑務所』に収容されても『法的女性』である変更適用された『ジェンダー表現』は変わらない。


刑務所の風紀を守るため、『法的女性』として『単独室』対応となるか『生物学的男性』として『男性刑務所の一般受刑者』と対応されるかは刑務所の判断による。

また、性犯罪者として登録された者が法的手続きに基づき性別を変更していた場合、対応は上述の通りですが、その際に注意が必要なのは、それが『法的女性』としてのジェンダー表現の否定ではないという点です。

対応は主に、生物学的な性別による風紀の維持や、国際法規範マルタ宣言に基づいて行われますが、ジェンダー表現やジェンダーアイデンティティに対する尊重は留意されるべきです。

この場合、「法的女性」としてのジェンダー表現が依然として尊重され、個々のアイデンティティに対する差別が排除されるように心がけられます。

例えば、法的には性犯罪者登録法の対象として「生物学的男性」とされる場合でも、その人が「法的女性」としてのジェンダー表現を選択することは可能であり、その権利と尊重が確保されるべきです。
これは法的な枠組みにおいて、性犯罪者としての取り扱いとジェンダー表現を両立させるバランスであり、人権と尊重を確保するためには重要です。





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