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ナックルボーラー【競馬FT】

  野球漫画の「ダイヤのA」に、長緒アキラていうナックルボーラーのキャラクターが出てくる。

ちなみに野球全く知らない人にざっくり説明すると、ナックルボールってのは指でボールを押し出すようにして、「ほぼ無回転」で投げることを目的にした変化球のことで、まあピッチャーのボールってだいたいがギュインギュイン回転がかかってるイメージあると思うので、これはかなり特殊な変化球なんだよね。

投げ方は個人によってまちまちだけど、ボールに余計な回転がかからないように、下半身はあまり使わず上体を立て、キャッチボールのようにふわっとリリースする。その特質上ほかの変化球と投げ分けが難しいので、ナックルの使い手は基本ナックルしか投げないことが多い。これがナックルボーラー。

ダイヤのAに話を戻そう。進学校に通い、肉体的にもさしたる素質を持ってる訳では無いアキラくんは、それでもピッチャーとして甲子園を目指すためにナックルボールの習得を決意した。ナックルボールは先述の通り、軽く放るので豪速球を投げるような身体能力は必要ない。技術さえあれば投じることができて、かつ予測不能な変化は魔球とも称されて、それ一本でも打者と渡り合える武器になる。

そうして簡単ではなかったけど、血のにじむような努力と2年半費やして、アキラくんはようやくナックルボールをモノにすることに成功した。
 
ナックルボールというのはそれだけ高度な技術が必要なんだよね。ただ技術よりもさらに大事なことがあって、それは精神力。ナックルボールはわずかな精神の乱れが指先に直結して、それは回転を生み変化を台無しにしてしまう。
集中を絶やさず、自分の磨いてきた武器を信じて淡々と投げ込む。そこに力みは要らない。
作中のアキラくんのセリフを借りると、「禅のマインド」こそナックルボールの真髄。

……てことでようやっと本題なんだけど。長すぎて申し訳ない。これは馬券買ううえでも我が身につまされる考え方だなあと。禅のマインド。

みなさんそれぞれ自分の型があるとは思うけど、僕にとってのナックルボールはもうそのまんま、単勝ですよね。
馬連ワイドを添えることはあるけど、基本的に単勝1点を買ってそれを的中させて勝つのが僕のスタイルなので、予想(野球的に言えば、対戦打者やアウトカウント)は臨機応変に対応しても、ナックルを投げる、単勝を買うということに関してはぶれないわけで。

僕自身競馬歴も浅いし、馬体を見る目に長けてたりとか、勝負勘が鋭いなんてこともない至って平凡な競馬ファン。そんな自分をわかってるからこそ、JRAと戦うために単勝という型を「決めて」しまって、それを投じることにリソースをつぎ込んでる。
だから、多少外れようが見当違いになろうが、淡々と単勝を買う。そうして去年回収率115パーを達成出来たので、壁に当たるまでは変えないと思う。

ただ投げたナックルボールがどこへ行くか投げた本人にも分からないように、馬の順位がどうかなんてやってみないと本質的には分からないことを僕らは予想してるので、まあ一喜一憂するなとまでは難しいけど、淡々と次のボールを振りかぶる「禅のマインド」を持ちたい。そんな事を思った金曜日。

などと、現在3週連続タコ負けの人が申しております……。わかってても、負けはいい気持ちはしませんね。でも僕のナックルは必ず相手を三振させることができると信じて、今週も頑張って投げようと思います。

あ、暴投したらすいません。さめしまでした。



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