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私にかけられた呪いの話

呪いといっても、それは憎しみや怨念の類のものではない。

私にかけられている呪いは実の父親に授けられたものだ。

記憶を遡ること小学生の低学年、1年生とかそんな時分だと思う。

記憶の中の父親は私に笑顔を向けながら

「お前は本当にブサイクだな!」

と上機嫌に声を上げていた。

幼い私は幼いくせにその言葉が蔑みの意味で使われることを知っていた。

なので当たり前に泣いて悲しんでいた。

私がブサイクと言われて泣くと父親は急激に不機嫌になり

「そんなことで泣くな!気分が悪い!」
「そんなんだからお前はブサイクなんだ!」

と怒鳴った。

本当に気分が悪くなった時は拳や蹴りが飛んできていた。

父親の前で泣くと痛い思いをするので、一人玄関に座り込んだり、机の下に潜り静かに涙を零していた。

たまに父親に見つかり怒号が飛んでくることもあったが、ほとんど見つかることは無かった。

その代わり母親は私も毎回見つけてくれた。

しかし私は、私を見つけたときの母親が嫌いだった。

「そんな所で拗ねてたらまたパパに怒られるよ」
「あんなの気にしてばっかりいたらダメでしょ」

私が傷付いた姿を心配することは無く、私の態度に注意をしていた。

きっと、そんな頃から私は呪いにかかっていた。

『私は親にすら馬鹿にされるほどのブサイク』

という呪い。

父親はきっと本当に私をブサイクだと罵りたかった訳ではないと思う(と信じたい)

いわゆる好きな子に意地悪をする心理だったのだと思う。

父親からのブス呼ばわりは小学入学頃から中学卒業の辺りまで、日時的に続いていた。

時は経ち、高校卒業を控え、更に就職が決まった私は母親から化粧の方法を教わり、実際に化粧をした。

その時、その時に父親にかけられた言葉で私にかかった呪いは、より強固なものとなった。

「お前、化粧したらちょっとはマシになるな!ずっと化粧してろ!」

大きな声で笑う父親、気まずそうな母親の顔。

あぁ私は、私の素顔は本当に酷いものなのだな。

そう明確に感じたのを今でも忘れない。

さらに時は経ち、現在、未だに私は自分をブサイクだと思っている。

化粧をしたら少しはマシになる顔とはなったが、根本的なものはあまり変わらない。

恋人に可愛いと言われても
友達にあなたはブサイクじゃないよと言われても
職場の人に髪型が変わって可愛くなったと言われても
自分が努力してダイエットや化粧の練習をしても

私は、父親の言葉に呪われ、それを振りほどけずにいる。

何度も振りほどこうと、逃れようとしても

「お前は本当にブサイクだな!」

と笑う父親の顔が忘れられない。

親からの言葉の呪いはどんな救いの言葉よりも強い。

きっと私はこれからもこの呪いと共に生きていくのだと思う。

けど、少しでも早くこの呪いから逃げれる日を迎えるために、逃げる術を探している。

ここ最近、本当にこの呪いが私を苦しめているのです。

誰でもいいです。少しでも私の呪いの解き方を、呪いの薄め方でもいいので教えてほしいです。

ここまで読んでくれた方、もし良ければ、何か知っていたら教えてくれませんか?

大変長い思い出話と愚痴になってしまいましたね。

本日も1日お疲れ様でした。

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