思想解剖#015『マッチ売りの少年』

年の瀬も押し迫ったある寒い日、少年はマッチを売っていました。
マッチが売れなければ父親に怒られるので、売れるまで帰れませんでした。
街のいたるところに飾りが付けられ、LEDライトで彩られた木々はとても華やかでした。
街を歩く幸せそうな家族が少年の前をまるで気にもせず通り過ぎます。
少年は凍えそうでした。
マッチは売れません。
我慢できずマッチを一擦り。
すると暖かさからか、少年は頬を赤らめました。
すぐに暖かさは消えました。
少年は売り物のマッチをまた一擦り。
暖かさが戻ってきました。

そんなことを繰り返していると、突然マッチが怒り出しました。
「僕を使うんじゃない!愚か者!
「家に帰ってお父さんに謝ってケジメなさい!

マッチ売りの少年はマッチに怒られたので家に帰って父親に謝りました。
すると父親は少年に言いました。
「You 売り物に手出して何考えてるノ!!マッチ!こんな使えないジュニアは街に捨ててきちゃいなヨ!You 捨ててきちゃいなヨ!」

マッチは少年の父親に言われたとおり、華やかで煌(きら)びやかな街に戻り、少年を捨ててしまいました。
そう…

ギンギラギンにさりげなく…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?