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詠う詩集

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シラフだったり、キメてたりする時に浮かんだ意識の煙が消えないうちに書き殴る。(エッセイ、コラム、詩など)
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#ポエム

麻の詩 / 二行詩のトリック

自由、光、好きな言葉で 届きそうで、もう少しで。 多くの問題はコントロール出来た 解決できなかった問題に限って深刻だ。 何も出来なかった。 私の思い描いた理想は。 まともな人から狂っていく。 その人たちの会話が合うようになってきた。 私達は若かった頃があった。 それなのにどうしてこんな大人になってしまった。 舐めて貰っては困る。体罰が当たり前にあった世代だ。 そして私はさらにそれに反抗した。 こんなに真っ当に生きてきた なのに何でこんな世にさせるのですか? どう

熱感

眺めた。 覗いた。 触れた。 温もりがあった。 それを思い出した。 胸の奥のそれを見つけた。 もう腐って形を成していなかった。 奪い合う 弱肉は強食へ 支え合う それを最後の最後まで信じられず それが欲しくて それを求めて それだけが見えない形 温もりがあった。 眺めても、見えず 覗いても、見つけられず 触れるだけ、見る気があったら それはそれは、小さく冷めやすく さすり合って、大切に それが支え合う さすり合う 小さな摩擦熱の 小さな灯り

オーバードーズ詩 / 再構築

酷いとことを考えては、自分にお仕置き刑 全てを打ち明けてしまえば、現在進行形 誰も最後まで聞かず、読まずの嘆き節 切り取って、千切って、不細工にこしらえて それが私。 巻き込んで、包み、隠し、裏の顔 解く、 窒息寸前 多量の薬物オーバードライブ 厚生省、薬事法、天下御免の錠剤の群れ 国内旅行宜しく全国行脚 眠り損ねて、 「ここはどこですか?私は誰?」 誰にも聞けず、読み漁っても釣れもせず 何かの煙のような浮遊体 孤独の真空空間 いつもよろしくビッグバン 広が

殉教者のヴァルハラ

新しい風が桜を揺らす。 その風に向かって歩くのが おそらく帰る場所なのだろう。 目蓋の裏にある荒れた海 ずっと溺れているとか そう思ってたら海底に足が着きました。 始まった生活保護の暮らしも 精神障害二級の手帳が加わって 加算金のゆとりが生まれた この気持ちはなんだ? 何年も就労不可と医師に告げられ 就労支援もしないとお上は赦し きっとこの暮らしで終わるのでしょう。 夏になれば広い団地に引っ越して 印籠が有れば抽選を押し退け 優先され住めることでしょう。 BMW65

大気圏で燃え尽きるぐらいで

あとどれぐらい待てば あとどれほど手を伸ばせば 指先が届くのだろう 想像も出来ない感触に 実感だけが先回り 触れてしまったら 千通りの思考の先回り どうせなら 触れずに触れられるまで あとどれぐらい待てば あとどれほど探せば 手を握ってくれるのだろう 誰かの流れ星 届いてしまったら 衝撃で木っ端微塵 私の流れ星 届けてしまったら 千年草も生えず 届く前に燃え尽きて それが綺麗と言えたらなら。 ただの大きな隕石なのに。。

闘牛士に魅せられて

何か大切な、感情が欠けていく どこか何か、間違っている世界 何が問題なのかと、問答も その心を、真の時間を与えられず 社会はほくそ笑んで監視社会 堅牢な仕組みの欠けた教育 知性の乏しい悲しい豚たち 民主主義は家畜の躾、餌は金銀 怒り狂った雄牛も血だらけ 闘牛士に心の臓を刺される見世物 熱を帯び湧き上がる観衆 悲劇が終わってしまえば 何か大切な、感情が欠けていく どこか何か、間違っている世界 眠りについた、その夢だけが 心の、真の時間にいざなって 社会はそれを許さな

灰皿に押しつけた夢

昨日の命が、少し燃え尽きて 灰色になった、私に触れ飛散 吸い込んだ、色のない鼻水 洗面器には、色混じりの痰 昨日でかすれた喉、水で潤し ようやく独り言も一人になれて 今日の夢を燻らせる煙草の煙 これも灰色、昨日の続き 陽を付けて、吸い込んで フラついて、鮮明になって 短くなっていく 心がベタついていく 時間が溶けていく 命が一本、灰皿に増えていく 黄色くなった壁に 騒がしい空気清浄機 夢が一本、火が消えて 夢皿が溢れたら丁寧に捨てる 少しの夢灰を吸い込んでむせ込

求めた人魚

深海へ 酸素を、肺が破裂寸前まで吸い込んで 耐圧硝子と足ヒレだけで 飛び込む 白い海豚が見送って 底に付く辿り着くわけがないのに 潜る 見たかった世界へ、 人魚よろしく耳抜きして深く深くへ まだ潜る 光が足りない、暗い どこかでクジラの鳴き声が それでも潜る 視界が水圧で赤くなる 目のない鮫が横切って 限界水域 戻るなら今、これ以上は帰れない もう少しと提灯アンコウが 戻りなさい 底はあるのは知ってても そこには辿り着けない人魚 どこが上? 黒い、ここまで潜って

心儲けの刺突

赤いのは 出血なのか、返り血なのか 拭っても、拭っても、、 心が、数字が飛び散ったのは 後悔なのか、脳漿なのか 奪われて、奪い返して 欲望に夢化粧 躍り狂って、狂い犯して 間違いのない世界がこれならば 下界でも内側でも群れでも共喰い 躊躇いの時間は隙だらけ 互いの隙を窺う急所の刺突 鋭い爪を隠せば、蛇が巻き付き 尖った牙で締め付けるそれを喰いちぎる 赤いのは 出血なのか、返り血なのか 拭っても、拭っても、、

鏡よ、鏡よ、鏡さん

私を少し世に晒す 聞こえるのは パラダイスと笑うパラサイトシングル 謎の取引を仄めかすの甘い誘惑者 救えなかった過去の傷を持つ漂流者 砕けた心の破片を集める精神看護師 明日は我が身とビジネスマン 私をもう少し世に晒す 見えるのは 自らの幸福論に迷いが筆の書道家 ありのままでいいと同族先輩 財布が減るのは私のせいだとサラリーマン 政に義憤の愛国者 もう充分と愛情を注ぐ何者でもない人々 矢継ぎ早の問いの数々 私の書を読めと返すも 読まず勝手気ままの自慰行為 私の全てを世

薬物で、飛んで彷徨い極楽鳥

痺れ合って、触れ合って 溶け合って、掻き混ぜて 一つになって、おぞましい色 響きあって、共鳴して それでも繋がらない 美しいと願っていた旋律は 私の奏でた余韻だけが悲しい色 心を睡眠薬で眠らせる 少しの眠気を煙を抜ければ 記憶がない旅、前方性健忘 おかしくなった記憶も完全欠落 空いてもいない腹を満たし 自白を白日の下に曝け出し 呂律の回らない、思考に迷い込んで 気付けば紙巻煙草を買って カフェインで覚醒させ ブレーキにアクセルをベタ踏み 稚拙なコカインヘロイン、ス

金無しの矜恃詩

誰にでも言える言葉 時は金なり、金有りは明日に狂って 金は労なり、学有りは尚一層のこと 学は金なり、金無し絞りで一滴まで 誰にも言えない禁忌 時は金無し、全てを差し出して 自は金無し、施しで今日に狂って 真は金無し、不幸という仮面を被って 誠は金無し、何も求めず求められず 心は金無し、浮遊したそのもの 信は金無し、切り離した世捨て人 芯は金無し、最後まで意地を張れて 伸は金無し、狭い独房から釈放され 診は金無し、御免状を印籠に 辛は金無し、金有り人を心配して 慎は金無し、叩

使徒となった殉教者を弔って

気付いていた 胸に宿っているのが魂であるならば 脳と切り離された、ありのまま。 それは天上天下唯我独尊 矛盾で満ち溢れ 打てば響き 締めて叫びを 熱さで悦びを 剥き出しのの痛覚の神経 このままでは生き残れない 脳が 作った心が殉教者となる 屍となって理路整然と支配する 殉教者は数字を操り 誰かの屍と魂を食い尽くす 数字だけを信仰し 割り切れないものは投げ捨てて。 優しい殉教者は己を嫌い、私を、魂を愛した。 時折り危険を犯してでも、魂を世に出した。 芸術というご馳走を与

飛行機雲に一番星

誰かが 涙をとめない 声を上げない 背をさする 泣き声がこぼれる 黙って泣き止むまで 泣きやまない 抱き締める 震えが伝わる 肩を貸す 倒れないように 前に進むのを支える 何も聞かず 話に耳を傾ける 言葉にならない涙を読む 何をして欲しい 何も求めないと言葉を添えて こわばる身体が弛緩する 並んで座る 目を合わせず 空を見て足を見る二人 水筒からお茶を出す まだ飲まない 冷めていく 夕陽にビルの影 甘いチョコを渡す チョコが溶けていく 立ち上がった 帰るとい