『吃音 伝えられないもどかしさ』読了。
新年になって初めての投稿になります。
時が経つのはあっという間です。
なので、今過ごしてる一瞬一瞬を、楽しく・精一杯生きることが、後悔なく人生を送る秘訣になるのです。
(まだ20年ほどしか生きていませんが(笑)。)
今回は、近藤雄生さんの著書『吃音 伝えられないもどかしさ』を読みました。NHKの「バリバラ」という障害者をテーマにしたバラエティー・情報番組に登場したことのある、高橋さんの話をメインに、吃音を持つ何名かの人の困難・またそれにどう向き合ってきたのかについてありのままの実態が描かれています。
この本は、2019年に大ヒットした作品といって過言ではないと思います。多くの本屋ではおすすめコーナーなどの特集の棚に何冊も積まれて陳列されていました。下にあるように、さまざまな賞の候補にもなりました。
・第41回 講談社 本田靖春ノンフィクション賞 最終候補
・第18回 新潮ドキュメント賞 最終候補
・Yahoo!ニュース | 本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞本屋大賞ノミネート
ここまで書いてきましたが、そもそも吃音って何だろう?っていう人もたくさんいると思います。 国立障害者リハビリテーションセンター研究所から説明をお借りしてきました。
吃音(きつおん)とは?
言葉がスムーズに言えず、どもってしまうことです。吃音の主な症状は、次の3つです。
・繰り返し (連発)(例:「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくです。」)
・引き伸ばし (伸発) (例:「あーーしたね」)
・詰まり (難発)(例:「・・・・・・・・・・おもちゃ」)
電話、発表、面接などでどもって苦労する人が多いようです。 人口の1%くらいの人に吃音があると言われています。
(http://www.rehab.go.jp/ri/event/image/kankaku12.pdfより)
下の記事でも少し書いてみたので、もしよければ参考までにどうぞ。
近藤雄生さんの『吃音』の本を読むと、より実態的なことを知ることができます。
吃音って本当に難しい問題で、まだよく解明されてないことも多いし、症状に波があったりするので本人でもうまくつかみきれない部分があります。自分1人だけの問題なのではなくて、他者が関わってくる問題なので、自分がうまく喋れないことで学校などの場面ででからかわれたり、いじめられたり、職場で「使えない」と言われたり、面接で落とされてしまったり。本当に、いろんな場面で辛い思いをしてしまう、そんな生活を送っている人がたくさんいるのです。
この本に登場する人たちも、様々な苦境に直面しています。会社を辞めることになったり、離婚したり、あるいは自殺にまで追い込まれた人もいます。かなり重い話がたくさんでてきます。自分も読んでて、辛いなぁと思う場面がいくつもありました。努力すれば必ず治るものでもない。そもそも、治療法が確立されているわけでもない。
それでも、どうにかして生きていこうと、前に進もうともがいている人がいる。その姿は、私たちを直接的にではなくとも励ましてくれるものがあるんじゃないかなって思います。当事者にとっては、「自分だけじゃないんだ」という仲間意識というか、孤独から少しでも救われるんじゃないかなって思います。
吃音を持っている人にも、様々な人がいます。症状の重さもそうなのですが、その捉え方もだいぶ違いがあります。自分の吃音の存在を知ってほしい・理解してほしいという人もいれば、自分が吃音を持っていると他の人に知られたくない・隠していたいという人もたくさんいます。なので、吃音を持っている人にどのような対応をすればいいのかというのはその人その人によってだいぶ変わってしまうのだけれども、1つ共通していることがあると思います。それは、吃音への正しい理解・合理的配慮が増えるといいな、ということです。具体的に一人一人がどうすればいいのかっていうのは難しいけど、この本を読むことで見えてくるものもあるんじゃないかなって思います。
自分ごときが、いろんな人の思いとかを代表して言えるような身分ではさらさらないけど、率直に思ったことを書いてみました。
吃音を持つ人たちの抱える悩みや困難が、少しでも少なくなればいいなって、心から願っています。
今回はこの辺で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
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