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もうすぐ蝉が出てくる

毎日暑い。

夏なので当たり前だが、「あれぇ?夏ってこんな暑かったか?」と思うので、毎年割増で暑くなっているに違いない。

さて、表題の件。

蝉は昔から結構好きで、これを同意してくれる人はあんまりいないので、介護と同様、ここで書き散らかしておきたい。

何年か前に「生き物の死に様」という本が話題になっていた記憶がある。ちらっと読んだところ、蝉は最期、仰向けで息絶えるという。なんか、かっこいい。

それと去年、仕事帰りの夜、蝉の幼虫が歩道を歩いているのを見かけて思ったことがある。

蝉は地中で幾年も過ごし、今だというタイミングで這い出してきて羽化し、ようやっと蝉の姿になる。そのタイミングを図るのにカレンダーや時計もなく、勘だけで出てくるのは、チャレンジャーすぎやしないか。しかも歩いて出てきて脱皮とか。どないやねん。

考えてもみてほしい。ギチギチのきつい服を着て安全な場所が見つかるまで戦場を歩いている。服を脱がなければそこを脱することが出来ない。
想像を絶する恐ろしさである。無理ゲーである。

実際に、毎年必ず、羽化出来なかった幼虫の死骸を見かける。その度に切ない気持ちになっていたが、歩いている姿を見たのは去年が初めてだったので、感動したのだった。

生き物に迷いはなく、人のように迷えば一生に一度のタイミングを逃し、死んでしまう。決死の覚悟ですらなく、ただ生きることを全うしている。
めちゃくちゃかっこよすぎやないか…

以上の経緯で、私は蝉を夏の勇者だと思っている。盛夏の折、道端に横たわる道半ばの幼虫にも、秋に差し掛かる頃、天を仰ぐ成虫にも、心のなかで言葉をかけている。

お疲れ様でした。見事な生き様でした。

…誰か共感してくれると嬉しいけど。ドン引きされそうで悲しい。


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