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介護する人のウェルビーイングて?

 実際に介護に関わってきて、生活上、とても困ったことはあまりない。
 リハビリや日々のレクリエーション、介護用品にしても、ケアマネージャーを通じて専門家の助けが得られる。介護する人は働きながら、介護が必要な家族と暮らし続けることができる。これ以上、ありがたいことがあろうか。

…とは、ならない。やっぱり家族の介護は心身ともに削られる。衣食住を維持するのでいっぱいいっぱいなので、どうしても自分のことが後回しになってしまうし、気がつけば、メンタルがガタガタのカッスカスになっていることが多い。

いま私は無職なので、慌しい日常から一時避難できている。実際、今、めっちゃ楽である。楽すぎて、時が止まってほしい。

働いている時は朝は家事(洗濯、調理)、母の身支度・送り出し、フルタイムで夜まで働き、帰ったら翌日の朝食の準備、ようやく風呂、ビール、寝る(昭和のお父さん)の繰り返しだった。

介護離職すんなとは言われるけど、しんどいて。

こういう生活だと、自分自身を振り返る時間がない。それどころか振り返りなどしようものなら、自分の人生のままならなさに発狂しそうになるので、あえて気が付かないふりして忙しくしてしまったりする。休みの日もなんか用事してるし、ゆっくりすると、そわそわしてしまう。急に体調崩したり、暴飲暴食して太ったりしてしまう。

介護してる人の通常運転て、こんな感じじゃないだろうか。介護の大変さはそれぞれ違うので、もっと大変な人もいるだろう。
でも、「自分の人生について考える余裕がない」のは一緒なんじゃないか。

休みの日はゆっくりお茶を飲みながら、本を読む。美味しいランチを食べて、散歩をする。

それくらいの時間は取れるでしょう?と言われそうだが、出来ない。そのどれにも集中出来ない。
意識的にそういう過ごし方は出来るかもしれないが、楽しめない。自分のどこにも隙間がないからである。

実際に立ち止まると、いろいろ失ってしまったものがあることに気づく。でも、打ちのめされてしまえば、明日から通常運転出来ない。自分のあれこれなど、忘れてしまった方が楽なんである。

介護する人のウェルビーイングは、どうすれば保てるのだろう。
解決策が離職しかないとか、なんか切ないよね。





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