満たす月

ぼんやりとした月の正体は、
" スノームーン " だった。
正確には2021.2.27が満月で、
降雪の多い気候にちなんで名付けられたとか。

あぁ、こういう月はよく見ていたなぁ。
15年間住んだ北の方の街で。

月の形が日々欠けたり満ちたりしていくのを
見ているのが好きだ。
さっきもコンビニへ行こうとして、
玄関の鍵を閉めてすぐに空を見上げて月を探した。
癖だからもう、ね。

満たされたことってあったかな、なんて考えてすぐに悲しくなった。
1時間程前に部屋で少し泣いていたけど、
もう涙は出なかった。

あたたかい部屋に戻り服を脱ぎ散らかす。
いつもならやらない。
缶ビールを開けて昨日作ったサラダチキンを食べながらこれを書いている。

すっかり自分を責めるのが得意になったな。
こんなふうにひとりで寂しいのも夜が怖いのも全部全部ぜーんぶわたしが悪いから受け止めなければならない。
でも、こんな毎日で生きてくの嫌になってもいいでしょう？

偽りの態度や嘘の言葉では満たされないし、満たされたふりも出来ない。

ねぇ？
わたしはもう何ものぞんではいけないの？