消費税減税で景気が良くなるってホント?

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 猫も杓子も消費税減税ガーと喧しいことだが、山本太郎の屁理屈なんか真に受けてどうする。
 
 消費税減税で消費が増えて景気が良くなる論は、国民一人一人にとっては
「お金をたくさん使えばそれだけ減る」→「使った分だけ貧乏になる」
 という現実を忘れて、
「皆がお金を一杯使ってくれれば会社が儲かって給料上がる」
 と思ってるからだよね。
 その「皆」が自分のことだなんて誰も思ってないから、消費も増えないよ。
 
 たとえば家電の買い替えなんて壊れた時なんだから、¥54,000なら買い替えるけど¥55,000では買い替えを見送る、というわけにはいかないでしょ。
 必要なものは、買わないわけにいかないの。
 そして、減税したからって不必要なものを無駄に買い物したりしないよ。
 
 減税による経済効果について考えてみる。
 可処分所得の増加分に対して消費に回される率を限界消費性向(cで表す)と言います。
 逆に、貯蓄に回される率を限界貯蓄性向(1-cで表す)と言います。
 
 限界消費性向は概ね0.6だが、今のような先行きが見えない経済状況では限界貯蓄性向が大きく上回るので、ざっくり0.2くらいに見積もっても妥当な線である。
 この仮定で経済効果(GDPの加算)をざっと見積もる。

・租税乗数
-0.2/(1-0.2)=-0.25
-1兆円×-0.25=2500億円
 
 1兆円減税の経済効果は2500億円。一般会計の歳入を1兆円減らしてるんだから、7500億円のマイナス。

・公共投資乗数
1/(1-0.2)=1.25

 たとえば1兆円のインフラ投資の経済効果は1兆2500億円。
 その差は歴然だ。
 
 減税せずに、その分を公共投資や政府支出に回すという麻生さんの考えはとても正しいのだ。
 
 あと、個人に対する給付金のようなバラマキは、事実上の減税だからね。

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