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⑤瞬く間に進行!侵入奇胎の膣・肺転移でメソトレキセート筋注開始【胞状奇胎】

<前回のあらすじ>
子宮内容物除去手術からたったの3週間と3日目で、膣から異物🍄出現。大量出血で救急搬送され、再び入院に↓

早くも侵入奇胎のフェーズへ

膣パンパンガーゼの刑に処された甲斐があり、翌日には血が止まっていた。
しかし昨晩の出血がひどく、この後も約1週間はヘモグロビンが6.5から上がらなかった。

輸血をチラつかされながらも、超気丈に振る舞いギリギリで輸血から連日逃げ回る。

問題のHCGは、下がりが悪いどころかむしろ先週よりも微増してしまっていた。(7458.4→8300程度)

どこかに転移している可能性があるらしく、翌日に造影CT、MRI、レントゲンを実施しくまなく犯人探しをしていただいた結果、膣にはもちろん肺にも怪しい影が2つあった。

『臨床的侵入奇胎』(多分キノコが主犯)として、すぐに翌日から抗がん剤治療を始めるよと主治医から説明を受ける。噂通り、血行性転移のスピード感が恐ろしい。

ちなみにこの時点で幸せな妊娠発覚からまだたったの2ヶ月。
抗がん剤というワードに呆然としながらも、迷う間も無く同意書にサインして夜を明かした。

そもそも病因が受け入れられない

本来ならば、秋には夫が待つ海外へ移り、冬には第二子を出産する計画で、10年以上勤めた会社に満を持して退職届も提出した直後の発症だった。

人生計画が大きく歪みはじめ、流石にうなだれていた。
初期流産のリスクは多少身構えていたが、ここまでの余波はさすがに想定外だった。

入院中は幼い娘は面会出来ず、祖母宅でお留守番の日々。
パパもいないのに不安な思いをさせたくない。
パパと3人で暮らす時間も先延ばしにしたくない。
二人目を望んでしまったせいで、これからの治療でも娘との時間をさらに奪ってしまう。。

後悔しても仕切れなかった。

非常に稀ではあるが、この異常妊娠は健康な男女誰しもがなりうる可能性がある。

『赤ちゃんが病気に気付かせてくれたんだ、、、』
『自然淘汰だからあなたのせいじゃないよ!』
『また次頑張ろう!』

とよくある早期流産の慰めが通用しないのがこの疾患の不甲斐ないところ。
流産とも癌とも違う、なんだか中途半端な存在だ。
事故にあった状態というのだろうか。
違う道もあったのに、自ら率先して発症を引き当てに行ってしまったようなものである。

この3ヶ月ただただひたすら後悔の念が続いていて、なんとももどかしい。


さて、嫌なことはどんどん忘れて前向きに切り替えていくのが本来の私のモットーなので、ネガティブな気持ちはここにそっと置いておくこととする🫥

侵入奇胎の治療(簡単なまとめ)

侵入奇胎はの治療目標は【完治】

まずは拘束時間や副作用を加味してメソトレキセート(MTX)の筋肉注射で行うのが主流だそうだ。

MTXを1クール14日間(投薬5日、休薬9日)×約10クール続ける半年がかりの治療となる。

その間、感度の高い血液中よHCGで治療効果を判定しながら、HCGが1を切ってからさらに地固めとして3クールほど続ける。

その間、副作用発現や効果不十分の場合には、
次はアクチノマイシンD点滴投与。
こちらは吐気や脱毛を伴うザ・抗がん剤。

それでもダメなら上記2剤にエトポシドを含む3剤併用療法のMEAといった治療が続く。

そして完治後も1年間は再発との見分けがつかなくなるので避妊を続ける必要があるらしい。


なんと、妊娠を望んで異常妊娠をしてしまった結果、少なくともあと最低2年は避妊をしなくてはならない!私が何をしたっていうんだー!!

(結局止まらない運命への不服。笑)

MTX メソトレキセートについて

◆メソトレキセート筋肉注射
→15秒程の注射(激痛)

◆アクチノマイシンD(コスメゲン)静脈注射
→30分程の点滴(制吐剤&生食フラッシュ含む)

この二つはどちらから始めても良く、強度に変わりはないらしい。外来投与が可能で投与時間も短く副作用も軽めなことから私もまずはメソトレキセートから始めることになった。



詳しい治療経過は次の投稿にまとめる予定です!

この時の病室が窓際で本当によかった

心情よりも病状の進行事例を知りたい!!という方向け記事

この記事では心情を交えなが長々と語ってしまいましたが、妊娠から侵入奇胎までの経緯についてはこちらにまとめています💁‍♀️
胞状奇胎は珍しく、情報が少ない病気かつ健康な男女であれ誰にでも起こりうる可能性がありますので、少しでも参考になれば幸いです。

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