アウター同士を重ね着するコツ／S&S OPEN TALK #54
四国にあるセレクトショップ SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。
その内容は、商品在庫の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様です。しかしそんな中「これは多くの方も同じお悩みをお持ちのはず」と感じるご質問も少なくありません。さらにそういったものほど短文では返しづらいのが正直なところ。
そこでこのnoteにて「マガジン」という形で回答させていただくことで、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただければと思います。
名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージです。
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アウター同士を重ね着するコツ
おしゃれな人はサイズ感、シルエットはもちろんのことインナーの使い方が上手いように感じます。例えばロングコートのインナーにレザージャケットを用いたりテック素材のものを用いたり。
今の季節、よくありがちなウールやカシミアのニットではなく本来アウターとして使うのが通常であるものをインナー使いするにあたってなにかポイントとかあれば教えていただきたいです。
ご質問ありがとうございます。（順番にお返事をしていたら遅くなってしまい申し訳ありません！）
早速ですが、ご質問の「本来アウターとして使うのが通常であるものをインナー使いする」ポイントは「それ一枚では防寒性が高いとは言えない軽アウターを選ぶこと」そして、「その上に重ねるアウターはゆとりをもったものを選ぶこと」この２つです。
ご指摘のレザージャケットもテック素材アウターも、ジャンルとしては「軽アウター」の部類に入ります。
とは言え、薄手のシャツに比べれば生地の厚さは適度にある軽アウターに何か羽織ろうと思えば、アームホールや身幅がゆったりしているものでなければ、かさばって着心地は悪くなり、必然的に選ぶのはサイズ感の大きいアウターになります。
つまりはロングコートなどのコート類が、相性が良いんです。
また、ショートタイプアウターにロングタイプコートを重ねる強者はなかなかいないと思いますが、外に着る物の方が着丈も長く、身幅も広くないと不自然です。
最初は、中に着るものをショートタイプ、外をロングタイプにすることをお勧めします。
けれど例外もあります！（そのせいで話をややこしくさせています）
もう少し細かく書いてみますね。
アウター重ね着のコツ 〜TPOを考える〜
アウトドアシーンでもない限り、ほぼどこに行っても暖房が完備されている現代において、「適度な防寒」を考えるのはとても大切なことです。
格好良く重ね着した着こなしも、店に入るたび何枚も脱ぐようでは不恰好。着飾ることを意識しすぎて気候に合わない組み合わせをしてしまえば本末転倒です。
つまりは冬場は特にTPOに合わせて快適に洋服を楽しむことも、洋服好きに求められるスキルで、ただ「軽アウターに大きめのアウターを合わせればいい」わけではなく、それぞれの防寒性能とTPOもあわせて考えることが失敗しないコツです。
レザージャケットと一口に言っても、内側に使われている素材が厚手か薄手かで印象は大きく異なり、コート類と一口に言っても「カシミア、コットン製など薄手のコート類」と「ウール、ツイードなど厚手のコート類」では全く印象が違います。
例えばスナップでよく見かける「レザージャケット×コート」の組み合わせも、革ジャンの裏地が薄手のものでなければ過度な防寒になってしまい、不恰好に見えます。（ちなみにレザージャケットの重ね着には馬革や牛革ではなく、比較的柔らかいゴートやラム、鹿革などがおすすめです）
一方でバイクに乗る方などの場合はこの限りではなく、裏地のついた重くて硬いレザージャケットにコートを羽織っていても、ご本人のTPOにはまっているため、格好良く見えるわけです。
つまりは、ご自身のライフスタイルやTPOを考慮しないで、見たそのままを真似てしまうのが失敗の大元。繰り返しますが、気温やその日のスケジュールに合わせて最適なアイテムを組み合わせることが大事で、それが本当の意味で「重ね着を楽しむ」ということだと僕は考えます。
アウター重ね着のコツ〜異素材を合わせる〜
この時点でややこしい上に、重ね着に大切なことを最後にもうひとつだけ。
それが「素材の相性」です。
具体的には、異素材を合わせるのが吉。同素材のものはメリハリがつかなくなるので避け、異素材であっても肌触りの近いものは避けます。
（レザー、テック素材、ナイロン系などの軽アウターは、そのような素材を用いることの少ないコートと、素材のメリハリがつきやすいため相性が良いわけですね）
まとめ
冬の重ね着、特にアウター同士の着こなしは、いかに着膨れ感を出さずにスマートに見えるか、そして着る本人がいかにストレスなく快適な組み合わせを作ることができるか、これがまず重要。
つぎに、TPOに合わせた「適度な防寒」が出来ているかを確認し、できるだけ異素材同士でメリハリのついたコーディネートが出来ていれば完璧です。
アウターの重ね着は、どなたも難しいと思いがちですが、最初から奇抜な試みをせずに、「厚手ショートブルゾンに、無地の薄手コート」といった重ねやすいものから取り入れてみましょう。
そこから徐々に理解を深めていけば、さほど難しいものではないと気づくはずです。
重ね着の幅が広がると、それだけで洋服選びが何倍も楽しくなります。
洋服がもっと楽しくなっていただければ幸いです！
✉️
今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、LINE@（http://slow-and-steady.com/news/lineat/）の他に、下記メッセージフォームより随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。
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