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リネンシャツを冬に着るのはアリ?/S&S OPEN TALK #55

四国にあるセレクトショップ SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。

その内容は、商品在庫の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様です。しかしそんな中「これは多くの方も同じお悩みをお持ちのはず」と感じるご質問も少なくありません。さらにそういったものほど短文では返しづらいのが正直なところ。
そこでこのnoteにて「マガジン」という形で回答させていただくことで、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただければと思います。

名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージです。

✉️

「リネンシャツを冬に着るのはアリ?」

初めて質問させていただきます。秋冬にリネンは生地のプロ、洋服のプロのS&Sさん達からしてもおかしいのでしょうか?というのも私はリネンが好きなのでリネンシャツを通年着用したいのですが「リネン=夏」という固定概念があるためか周りから今の時期リネンシャツ?みたいな感じに思われてしまいます。気にせず着用するのでいいのですが一度プロのご意見を伺えたらと思い投稿させていただきました。

(愛知県/pikaru3)

ご質問ありがとうござます。
順番にお答えしているためご返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
さてご質問の「リネンシャツを冬に着るのはおかしいのか?」ですが、結論を先にお話しすると「まったく問題ないが、透け感(生地の厚さ)に注意する」これが僕の持論です。

■夏以外のリネン着用で気をつける2つのこと

そもそもリネンという素材は日本古来、通年で着用された生地です。
ちなみに洋服の歴史が深いヨーロッパなどでは「ヘビーリネン」と呼ばれる厚手リネン生地もあるくらいで、パンツ、コートなどがビンテージ市場でも人気です。
ではなぜ、現代の日本では「リネン=夏」というイメージがあるのでしょう?
それは通気性もよく強度もあるリネンが、たまたま今の蒸し暑い日本の夏に適しているだけなんです。

ただ、夏以外にリネンを着るたび、こんなうんちくを披露するのも面倒なので、僕は2つ、マイルールを定めています。それが「①夏以外のリネン着用は厚手のものを選び、②薄手のものなら濃い色を選ぶ」これだけなんです!

80番手(※1)付近のリネンは夏以外で着るとどうしても寒々しく感じます。
そのためインナーが透けない程度の糸番手を選ぶのですが、なかには薄手だけどリネンを着たいシーンもありますよね。そんな場合は代わりに、濃い色(ブラック、ネイビー)を選ぶわけです。

※1…番手について
一般の人には馴染みがあまりないと思われますが、糸には素材によって決められた「番手」というものがあります。簡単にいえば「番手」の数字が大きくなればなるほど糸は細くなり、数字が小さくなればなるほど糸は太くなります。
つまりこの糸番手が生地の厚みなのですが、一般的なリネンシャツの場合は「20~80番手あたり」で、20番手のリネンは厚手、80番手のリネンはかなり透け感のある仕上がりになります。

■リネンを着こなすコツ

リネンは吸水性や吸湿性にも優れ、他の生地に比べて抗菌作用も高く、非常に優れた素材です。非常にドライな質感ですので、厚着が嫌いな僕などは、コートやアウターのインナーにも最適だと、頻繁に着用します。
ただ、シワになりやすいというデメリットもあるため、生地の厚いアウターの中に一日着ていると、アウターとの干渉でどうしてもシワになります。
そのためリネンシャツを着る場合は、着る前のシワチェックが大事。
あまりにシワが目立つようであれば、スチームやスプレーなどで軽くシワを取ってから着用するのが、不恰好にならないリネン着こなしのコツです。

最後に

本来、厚手のリネンシャツより薄い方が着心地は良いですし、糸番手のことまで小難しく考えず、洋服は楽しむべきですが、そもそも無人島で一生過ごすなら洋服なんて要らないわけで、他者がいることを前提に洋服というのは存在します。
ゆえにリネンシャツがどれだけ好きでも、周りから変な目で見られてしまうなら、調整の必要があります。
結論、透けていなければOK、透けてしまうくらいの薄手なら濃い色を選びましょう!そして季節関係なく、シワを適度に伸ばして着用する。
これでバッチリです!

✉️

今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、LINE@(http://slow-and-steady.com/news/lineat/)の他に、下記メッセージフォームより随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。

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