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劇場にいつ行こう。 <あとがき>

「劇場にいつ行こう。」

令和3年5月24日(月)に下北沢駅やSNSを中心に、SLUSH-PILE.は世の中にこう呼び掛けました。お客様からは「早くまた劇場にいきたい」「劇場でライブが見たくなった」という声が届いたり、芸人の方々にも【劇場とは】と改めて考えるキッカケとなったようで、たくさんの方々の協力を得て実施した今回の呼び掛けは、お陰様で大きな反響をいただきました。ご協力して下さった皆さま、本当にありがとうございました。


私、劇場が好きなんです。


お客様においては、このデジタル全盛の世の中で、わざわざ時間とお金をかけて、劇場までライブを観に行くという行為。
興行師においては、このデジタル全盛の世の中で、劇場という限られた空間で、極一部のお客様にしか笑いを届けることができないのに、経費だけはどんどん嵩張って収益が全然上がらない興行を打つという行為。
どちらも大変不器用です。

でも、劇場が好きなんです。

今回の呼び掛けの際に、劇場の魅力をいくつか述べさせてもらいましたが、それらに加えて、私の中でもうひとつ大きな魅力があります。それは劇場が、

「許してくれる場所」

であるということです。

劇場の舞台に立つ者は、自分がおもしろいと思ったことを全力で表現できます。今、世の中の倫理観はどんどん厳しくなっています。少し前までは許されていたことが今では糾弾されてしまいます。でも劇場では誰に気を遣うこともありません。世の中の価値観も関係ありません。自分がすべてなのです。それを観るお客様も然りです。その表現者のことが好きで劇場に行くのです。自分の周りに好きな人がいなくても関係ありません。好きだから行く。劇場に行くとその表現者が好きな人々と、同じ価値観の人々と会えるのです。すべてを許して受け入れてくれる。それが「劇場」だと考えます。

笑いは常に誰かを傷つける可能性があります。
笑いは常に何かを傷つける可能性があります。
何人たりとも決して傷つけてはならない。差別してはならない。
このような価値観では笑いは生まれません。
すべてを許して寛容に受け入れてこそ、人は笑えて幸せになります。
劇場は非日常です。
あらゆるものから離脱して、許容の場として存在します。
だから劇場はおもしろいのです。

時に芸人。
私、芸人が好きなんです。
私の中で芸人は、恐くて、近寄り難くて、何をしでかすか分からなくて、でもその危険性が色気となってカッコよくて。
今回のポスターのコンセプトでこだわったのは、そこでした。
芸人の本質をどう表現できるのか、を今回関わったスタッフの方々に相談しました。
芸人は一般社会生活に適さず、行き場を失い、残された道は昔から好きだった笑いをシノギとするしかない生き物です。そんな堅気ではない芸人を受け入れるのも「劇場」です。社会からどのように見られようが、評価されようが、志あれば、劇場はいつも受け入れてくれる。劇場は芸人の行きつく場所であり、心の拠り所なのです。

これからの時代、劇場は益々大事になってくると思います。
不器用かもしれません。仕事として成立させるには大変かもしれません。
でも、私はこの劇場と共に生きていこうと思います。

                         令和3年5月30日
                        SLUSH-PILE. 片山勝三

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