第一回 シューゲイザーオススメバンド紹介
1.Aerofall
ロシアはロストフから、紅一点"ヤーナ(Vo.)を筆頭に活動するロシアンシューゲイザーバンド。
彼らの2作目の"Forms"では、4ADを彷彿とさせる甘美で耽美なメロディや、知る人ぞ知る、90年代ロンドンで人気を博した"Curve"のようなインダストリアルチックなサウンドを掻き鳴らすロシアンシューゲイザー期待の新星だ。
2. Blankenberge
2組目もまたロシアから。
こちらは、サンクトペテルブルクで結成された(らしい)バンドで、1組目で紹介したAerofallとは異なったサウンドを鳴らす。
浮遊感のある、ドリーミーなシューゲイザーサウンドに、歪みの効いたフィードバックノイズが、これまた途轍もなく心地よいのだ。
個人的にはDIIVとSlowdiveを融合し、昇華させたという表現が一番しっくりくる。
個人的にオススメの曲の一つである"Right Now"では、浮遊感のあるドリーミーな音像に、曲終盤にかけて畳み掛けるような、歪んだ音像がこの世のものとは思えないほど素晴らしい。
彼らの激しさと儚さを兼ね備えた音像を、是非体感してもらいたい。
3. Kraus
3組目
Will Krausによるソロプロジェクトで、デビューアルバムの"Path"を発表すると、各メディアて取り上げられ、SolangeやBlood Orangeを輩出するTerrible Recordsと契約するなど、一躍USインディー界隈を騒がせた期待の新星だ。
そんな彼だが、実は一般的なシューゲイザーとは、少し異なっているのだ。
そう、実はこのアルバムギターを一切使わずに、ドラムによって作り上げられているのだ。
「ギターレスのシューゲイザーなんて言語道断だ」
そう思う方も少なくないだろう。
しかし!一度アルバムに耳を傾けてほしい。
ギターレスで、しかもドラムだけで、ここまでシューゲイザーを再現することが出来るのかと!
どこか脆さを感じさせるボーカルと、烈しく轟くドラムが作り上げる幻想的な音像。
「自分は桃源郷にいるのか」
そんな錯覚さえ覚えてしまう。
シューゲイザーとギターは切っても切り離せない。
そんな常識を塗り替えてしまった彼の作品を是非聴いてほしい。
一瞬で彼の作り上げた世界観に引き込まれることだろう。
4. TREMENTINA
南米はチリのバルディビアで結成された4人組。
恐らく今回紹介してきたシューゲイザーバンドの中では最も激しく、「これぞシューゲイザー」といったような、ハイゲインなディストーションや、極端に歪ませたノイズを存分に味わえる。
そんな彼らのアルバム"Almost Reach the Sun"を聴けば、洪水のようなギターノイズに我を忘れ、ヴァネッサ(Vo.)による甘い歌声に酔いしれること間違いなし。
5. VHS Dream
続いて紹介するのは、豪メルボルンから
シューゲイザーはもちろんドリームポップのエッセンスやアコースティックギターを用いたサウンドを兼ね備えた、Matthew HoskingとMayzie Cocco Wallenによるデュオ。
そんな彼らのアルバム"Departure"は、レイドバックなギターノイズと、耽美で繊細なコーラスが、あなたを幻想的な世界へと誘なってくれることだろう。
6. Miniatures
またまた、豪メルボルンから3人組シューゲイザートリオ。
彼らのデビュー作"Jessamines"はCurveの"Doppelgänger"をクリーンにした感じのアルバム。(伝われ)
何層にも重なるように歌い上げるボーカルと、リバーブにより輪郭がボヤけたようなサウンドを作り上げる甘美な音像を是非体感していただきたい。
7. Crescendo
LAを拠点に活動する、男女3人からなるシューゲイザー/インディーロックバンド。
現在は惜しくも解散してしまったが、疾走感溢れるギターリフに、圧倒的なギタースキルとポップセンスを兼ね備えており、どこかDIIVを彷彿とさせる。
彼らのアルバムUnlessに収録されている"Repulsor"の曲の終盤にかけてのギターソロは圧巻。