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公園をつくる

僕にとって2年目のストレンジシードが終わった。終わってしまった。静岡市のまちなかでダンスや演劇、パフォーマンスが繰り広げられる4日間。僕が担当しているデザイン業務はもちろん、当日の運営は毎回しぬほどたいへんなんだけど(一応アートディレクターという大層な肩書きがあるんだけど、事前の印刷物やウェブサイトのデザインだけでなく、現地の看板や張り紙・装飾の設営、広報活動の統括、公式アナウンスのテキストチェックや本番のツイッター中継まで、ってあれ?アートディレクターってこういう仕事?という謎業務も含めて)毎日たのしくてたのしくて、永遠にこんな日が続けばいいのにと思う。それは関わるみんなわりと同じ気持ちで、静岡にやってくる出演者たちが、たのしい!静岡すごい!最高だ!とみんな口をそろえて言う、そんなイベントなかなかない。

公園をつくりたい、とずっと思っている。
性別、年齢、職業、境遇、人種、国籍、価値観、障害のあるなし、すべてに関わらず、すべての人がどう過ごしてもいい。踊ってる人がいるなら立ち止まって見てもいいし、見たくなければ見なくてもいい。なんなら自分が踊ってもいい。そんな風通しの良い公園のような場所が、ストレンジシードではつくれている自信があるし、これからもつくっていきたいと思う。

しりあがり寿さんと一緒にああでもないこうでもないとつくったタネのキャラクターたちは、あらゆる価値観をもつぼくらすべての人たちの姿でもある。ストレンジなタネを公園に蒔いていきたい。

いろんなものごとや気持ちがとどこおっていた自分のこの一年に、ままごとの『ツアー』という作品が風穴をあけてくれた気がした。「人生!旅行!予測不能!ご賞味!」という劇中のセリフ。僕も帰ろう、僕の家と、僕の旅。

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