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パクられ貯金
僕は喫茶店で昼食をとっていた。
チェーン店ということもあり、隣には高校生くらいの女子4人のグループが座っていた。
聞き耳を立てていたわけではないが、若い女子の声は脳みそを劈く。
馬の耳に東の風を吹かせていたのだが、突如、風の流れを塞ぐ小石が投げ込まれた。
「パクられ貯金」
聞き馴染みのない単語に思わず耳を傾けてしまった。
どうやら、彼氏の"たっくん"が最近捕まったが、パクられ貯金をしていたおかげで保釈金を支払ってすぐに出てくることができたのだという。
あ、パクられってそっちなんだ。
貯金をパクられたんじゃなくて、パクられた時のための貯金なんだ。
一瞬感心したが、よく考えると、
いやよく考えなくてもそうだが最悪の自衛である。
そもそもパクられるなし。
パクられる予定がある人はぜひ、貯金
ではなく生活を改めていただきたい。
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