140字小説 棒人間・自殺相談ダイヤル等

Twitterに#140字小説というハッシュタグがあります。
Twitterの文字数制限内で超掌編小説を書いて楽しもうという趣旨のものですね。
幾つか投稿する度にnoteにまとめていこうと思います。

棒人間

棒人間を差別してないなんてよく言えますね。
棒人間を産んだ私を見下してる癖に。
絵が下手だと棒人間しか書けないようにSEXが下手だと棒人間しか産めないって。
絵が上手い人でも棒人間を書くことがあるでしょう?
私は普通の人間を産むのは手間がかかるから省略して棒人間を産んだんだ。

自殺相談ダイヤル

本当にありがとうございます。
自殺相談ダイヤルの存在を知らなければ今頃、狂乱して自殺していたことでしょう。
実の所、この世に希望なんてないと思いながら、死ぬことが怖かったんです。
あなたに相談できたおかげで凄く心が落ち着きました。
これで安らかな気持ちで死ねます。

聞き覚えのある名前

眩しい。
なんだ、ここは。
確か俺は妻のユミの葬儀を終え、薬を飲んで・・・
まさか、天国?
・・・誰だこの声。
ユミ?今ユミって言ったのか?
・・・ごめん、ユミなしじゃ生きていく気力が出なくて。
言いたいことだらけなんだけど、一ついいかな?
戒名使えよ!
住職に幾ら払ったと思ってんだ。


双界問題

「私としては早く苦しみから逃れたかったぐらいですよ。
 人間の間では命脈を繋ぐ行為に死を愚弄する意図なんてないんです。
 閻魔様、どうか地獄行きだけだは・・・」
 何度、弁明しても陪審員席の死神の心証だけは上がらない。
 どうやら延命治療が問題視されているのは下界だけではないらしい。

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