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sleepy room 2023 ep.21KCの倒し方をさがして その3

KCの倒し方をさがして その3


ep20でHillの離脱で攻撃力低下について触れました。
現状のKCのWRはどうなのか?KCのWRはキャッチ能力はそれほど高くない並の選手が多く、DBと競り合いでコンスタントにキャッチできるレシーバーは多くない。

WRにドラフト上位をさく余裕はないのでドラフト下位で調達するのは仕方ないですが…
スピードでディフェンダーを置き去りにしてオープンになり優しいボールを投げてもらいキャッチというパターンが多い気がします。
スピードの緩いキャッチしやすいボールなのでDBが追い付いてカットやINTや、レシーバーがキャッチし損ねてINTということもある。

Mahomesはふんわりしたボールを投げてINTされることが多い… というかMahomesが優秀なので投げ込んだボールをINTされることが少ない。
付け入るスキがあるとすればこの辺なのかと思います。

ちなみにHillもキャッチング能力が高いWRかというと、私は並だと思っています。
スピードでフリーになり獲りやすいパスを受けるタイプなので、全盛期のAaron Rodgersなどの鋭いパスを投げるタイプのQBと組んでいたらドロップ率が高くこれほど高評価されていることはなかったかもしれない。

そのあたりはHCアンディー・リードのチーム戦略や運営方針のおかげ(もちろんGMの手腕も)だと思う。RBにしてもずば抜けた選手じゃなくても、自分の戦略戦術に合った選手を獲得し、上手に使うことができるHC

2022シーズン
2021シーズン

NFL WRの平均値

WRの40y dashの平均タイムは4.48秒です。
これより速ければスピードタイプとなるでしょうか? 
ちなみに4.2~4.35くらいなら、ものすごく速い部類でしょう。
WRの平均身長は6フィート0.5インチなので大体184㎝

KCのWR(2023年7月3日)

それを踏まえてKCのWRを見てみると
John Ross 40y 4.22 s 180㎝ 27歳
Kadarius Toney 40y 4.37 s 183㎝ 24歳
Marquez Valdes-Scantling 40y 4.37 s 193㎝ 28歳
Skyy Moore 40y 4.41 s 178㎝ 22歳
Ihmir Smith-Marsette 40y 4.42 s 185㎝ 23歳
Justin Watson 40y 4.44 s 188㎝ 27歳
Richie James 40y 4.48 s 175㎝ 27歳
Rashee Rice 40y 4.51 s 175㎝ 23歳
Jerrion Ealy 40y 4.52 s 173㎝ 22歳
KEKOA CRAWFORD 40y 4.52s 185㎝ 25歳ルーキー
Ty Fryfogle 40y 4.53s 185㎝ 24歳
Cornell Powell 40y 4.53 s 185㎝ 25歳
Nikko Remigio 40y 4.57s 178㎝ 23歳ルーキー
Justyn Ross 40y 4.64 s 193㎝ 23歳

40y走14人中7人が平均値(4.48秒)と同等か速いことになる
身長は14人中7人が平均(184㎝)以上
スピードと身長はおそらくプロ入り後には伸びない才能なので良い素材を集めて、テクニックや戦術を教育して使えるWRに育て上げるのがKCの方針でしょう。常に下位ドラフトで選手を集めなければいけない常勝チームの工夫ですね。
ですからKCの攻略法の一つとして、KCは並のレシーバーをマホ&リードのバフで底上げしているので過剰に恐れることはなく(まぁまぁドロップすることもある)ということを頭の片隅に置いて余計な反則はせずに、少々進まれることはかまわないのでRun After Catchをさせないよう確実にタックルで仕留める。これが出来ていれば、これまでのMahomesならゲインするためにより遠くのレシーバーを探してサックを喰らったり、少し強引に投げレシーバーと息が合わずINT、もしくはドロップor弾いてINTとなっていきます。(当然Mahomoesも成長しているので今年もそうなるとは限りませんが)

敵はMahomesにあらず

Mahomesの活躍が異次元過ぎて忘れがちですが、本当に倒すべき相手はHC Andy Reidだということを… Reidの多彩な攻撃に翻弄されて得点されているのです。Mahomesは凄いけどパートナーが並のHCだったならスーパーボウルのような大舞台で何度も勝つなんてことにはなかったでしょう。

私がリアルタイムで目撃したSB複数回制覇したQB&HCのコンビです
Joe Montana&Bill Walsh
Troy Aikman&Jimmy Johnson
~~1994年サラリーキャップ導入~~
Jhon Elway&Mike Shanahan
Tom Brady&Bill Belichick
Ben Roethlisberger&Mike Tomlin
Eli Manning&Tom Coughlin
Patrick Mahomes&Andy Reid
QBもHCもそうそうたる面々です。SF黄金期とDAL連覇の頃はサラリーキャップが無かったものの勝つための戦術・戦略を築き上げNFL全体に影響を与えた。

そして素晴らしいQB&HCコンビだがSB複数回制覇していない
Drew Brees&Sean Payton
Aaron Rodgers&Mike McCarthy

PeyTon Manningはちょっと特殊で… 異なるHCで4回SBに出場して2回制覇しています。違うHCとコンビを組んでいたらもっと勝っていたかもしれない…
Peyton Manning&Tony Dungy(制覇)
Peyton Manning&Jim Caldwell(Brees率いるセインツに敗北)
Peyton Manning&John Fox(強力ディフェンスのSEAに敗北)
Peyton Manning&Gary Kubiak(制覇)

***注意***
NFLでHCをしているくらいなので、みんなさん優秀なのは理解していますが、複数回制覇しているHCはよりスペシャルなHCだということです。他のHCにリスペクトが無いわけでもSean PaytonやMike McCarthyがダメだと言っているわけでもありません。SBで複数回勝利するとはそれほど険しい道なのだということです。
ちなみにRussell Wilson&Pete Carrollは書き忘れたわけではありません。2年連続でスーパーボウルに出場しあと一歩で連覇というところまでこぎつけたコンビですし素晴らしいと思っていますが、(今回はQBとHCにスポットを当てたので)ディフェンスの活躍が屋台骨のチームだったため敢えて載せてなかっただけです。

HCの判断に大きく左右されたであろう試合

SB49ではPete Carrollのゴール前でのコールは物議をかもしたが、当時のMarshawn Lynchショートヤードを止めるすべはほぼ無かったので、私は裏をかいた良いコールだったと思っています。だれもがLynchが突っ込んで決まると思っていたでしょうから…
ただし相手が悪かった…Belichickはパスなら失敗することもあるし、カットあわよくばINTもあり得るし、ランで来るなら止めずにTDさせてしまおうと考えていたかもしれません。SEAがTD後にキックを選択すれば28-31で3点差2タイムアウトと20秒あればキックを蹴るところまで行ける可能性はある。
NEはそういう試合を何度も勝ってきた経験もある。Pete Carrollが相手がBelichickということを考慮して裏の裏をかいておけば… HCの差で決まった勝負かもしれません。

SB50では圧倒的なDENディフェンスに翻弄されるCam Newtonを立て直すプレーをさせてやれなかったのがRon Riveraの責任だと思います。
試合の流れ的には圧倒的にDENディフェンスにやられている印象を受けますが、点差はそれほど大きくなくNewtonのメンタルを立て直すことが出来ていれば十分逆転できたと考えています。
満身創痍のPeyton Manningだし… ただVon Millerは凄まじかったけどね
( ゚Д゚)

SB51のDan QuinnはNEオフェンスを3点に抑えて(ディフェンスマインドのコーチなので)調子に乗っていたのか?Tom&Billペイトリオッツにビビり過ぎリスペクトし過ぎていたのか?セーフティーリードにもかかわらずパス連発で逆転の時間とチャンスを与えてしまった。
ただQuinnはディフェンスマインドのコーチなので戦犯はオフェンスコーディネーターだったKyle Shanahanにあるのかもしれませんが、どういう方針でいくか(ランでクロックマネジメントするのかパスで追加点を狙いに行くのか)の最終決定権はHCにあったと思うので(;´・ω・)

SB53当時イケイケのSean McVay若く才能あふれるオフェンスマインドのHCが高い攻撃力を備えたオフェンスを引っ提げて挑んだが前半無得点に抑えられ、戦術・戦略のアジャストもできず後半もFG1本と撃沈。
エースRBのTodd Gurleyが怪我によりほとんど使えなかったとはいえ、もっと何か準備ができたと考えます。自分の作り上げたオフェンスにおごり高ぶりがあったのではないでしょうか?

SB54のKyle Shanahan… くしくもSB51と同じように4Qに大量得点を許し(3TDを喰らって)逆転負けしてしまいます。
オフェンスマインドコーチなので4Qに無得点というのがいただけない。
オフェンスを続けて時間を使うなりFGだけでも積み重ねていたなら結果は違っていたかもしれません。

SB55のAndy Reid… KCのLBコーチを務めていたAndyの息子Britt Reidがスーパーボウルの3日前の2021年2月4日に酒気帯び運転で停車中の車両に衝突事故を起こして(後に逮捕収監されて)います。
HCのメンタルに少なからず影響はあっただろうし戦術戦略の準備時間が削られたことでしょう。
TBの戦略に後半アジャストできなかった原因の一端かもしれません。
いつものReidならアジャストして後半もうすこし流れを変えることが出来ていたはず。すくなくとも0TDということはなかったでしょう。

このように大事な場面でのHCの戦略・戦術・決断は大きく影響する長期的に勝てるチームをつくるには優秀なQBと優秀なHCが必要で、その相性も大事なのではないでしょうか?MahomesがReid以外のHCにドラフトされていたらこれほどの脅威はなかったと思います。


ディフェンスでもオフェンスでも選手は結局のところコーチ陣の戦略戦術プランを実行することが基本です。稀にTroy PolamaluやPeyton Manningのような、それを超越するモノも現れるのですが… いずれMahomesもそうなってしまうかもしれません。

Andy Reid攻略法

Reidは対戦するチームを徹底的に解析して攻略の戦術・戦略を練ります。
このフォーメーションはこういうプレーになるから対処はこれだ!という感じ。なので、ポストシーズンにKCと対戦するチームはレギュラーシーズン中の好調だったプレーを餌にした裏プレーを(攻守共にいくつか)用意する。
Reidを策士策に溺れるという状態にしてしまうわけです。そのためレギュラーシーズン中に対戦する場合は使ってはいけない。むしろ伏線張ることに注力した方がいいのかもしれません。そうしないとポストシーズンで負けてしまうでしょう。

KCを打倒のカギまとめ

  • ①フロント4人でプレッシャーをかけ続ける(そもそもこれが出来ないと話にならない)

  • ②RACさせない(それほどスペシャルなWRはいないので少々進まれても大丈夫だというメンタルは必要です)

  • ③KCを倒すにはマホよりHCアンディーリードを攻略すべし(シーズンを通した伏線を張っておく)

  • ④KCにINT/fumbleをされない(これが出来れば苦労はしないけど…)

  • ⑤余計な反則はしない((同じく簡単にできれば苦労はしない…)

  • ⑥マホームズにビビり過ぎない(選手もコーチ陣もどんなに劣勢でも勝てると信じてプラン通りのプレーに徹すること)

  • ⑦クロックマネジメントにとらわれ過ぎない(1分もかからずTDするチームなので…)

  • ⑧fumbleを狙う(エンドゾーンにたどり着くまでにボールを奪えればラッキー、ダメで元々)

  • ⑨INTを狙う(エンドゾーンにたどり着くまでにボールを奪えればラッキー、ダメで元々)

以上①~④は必須、⑤~⑨はできればやれた方がいい。というのがKCを倒すために必要な要素かなと思います。

ポジティブライオンズmini

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