サイレント映画

画像1


日常生活において 声を発さぬということは、埋没することと同義である。

声を発さぬ限り 私 という存在は 映画の中に溶け込んだままである。

鑑賞者のいない映画のような 独白場面の空白のような

視点が揺蕩う されどこの場に留まっている

私は主人公ではないのだ。起承転結を太陽にまかせている

昇る  朝だ  起  照らす 昼だ  承

傾く  夕だ  転  沈む  夜だ  結

視点がゆらめく 水中のように

私は声を発さぬ ここにいる 溶けこんでいる 抗わぬ

声のないサイレント映画の中で




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?