ルヴァンカップ・FC東京戦~埋もれる若手

2017/06/28 ルヴァンカップ プレーオフ サンフレッチェ広島vsFC東京 エディオンスタジアム広島

 もう2度と観ない。
 大敗した大宮戦の後、そんなことを誓った。が、その舌のねも乾かない内にやはり観てしまうのだ。サンフレッチェの試合がある限り、やっぱり観てしまうのは性としか言いようがない。
 不甲斐なさに情けなくなり観る価値を見いだせなかった。それでも全メンバー入れ替えたこの試合にはアグレッジブさが見て取れた。相手のボールには身体を寄せ、ゴールに迫られても全員で守る。普段出てるメンバーよりもボールへの執着心があるように思えた。それ故に危ない場面もギリギリでくい止めることができたのだった。
 ところが攻撃になるとこれがとんと遅い。絶好のカウンターのチャンスもボールキープするのが精一杯。ああ、これだから相手は自信を持って攻めることができる。その結果守る時間ばかり増えてしまう。結局この流れはどの選手が出ても一緒なのだった。
 上手くいかない。
 いつも思うことをこの試合もまた思うのだった。たまに攻撃をすれば肝心なとこでミスをしてしまう。深い位置までドリブルで入っても最後の最後でフェリペが滑ってしまうとこがこの試合を象徴してた。シュートは打っても入らない。手を替え品を替え攻め立てるが、ちっともゴールが入ることはないのだった。
 更に守備はがんばってると思ってたものの右サイドであっさりとかわされクロスを入れられると真ん中で当たり損ねのヘディングをされるとGK中林は手には当てたものの止めきれなかった。失点。またしても先制点を入れられてしまった。前半終了間際だったというのにまた同じ展開かよ。
 点を入れないといけない展開。それなのに後半になっても一向に攻めに転じることはないサンフレッチェ。相手ボールにも実にぬるいプレス。一体本当にボールを取ろうという気があるのだろうか。
 もうこのまま終わるのだろう。そんな諦めが出てきたその時、宮吉が右サイドを駆け上がった。ドリブルの速さにFC東京の選手は追いつけない。そしてグラウンダーでマイナスのクロスを送ると真ん中で合わせたのは工藤だった。が、これが綺麗にゴールを越した放物線を描いてしまうのだった。
 入らない。
 一体この言葉を何回使えばいいのだろう。サンフレッチェの選手はとにかくシュートが苦手だ。せめて枠に入れてくれよと思っていたら茶島がミドルシュートを枠に放った。強い弾道の質の高いシュートだった。が、GKに弾き出されてしまった。相手はGKさえもちゃんと最後はくい止めてくれる。
 シュートが入らないならチャンスを増やしたい。でもそれも段々と終了時間が近付くにつれ攻撃の圧力がフェードアウトしていってしまうとそのまま相手を脅かすこともなく終わってしまった。
 負けた。またしても負けた。というより同じように負けたことがまた空しくもあった。点を入れられないFW、守りきれないDF。そしてアグレッシブだと思ってた姿勢はいつの間にか陰を潜め結局いつものように弱い弱いサンフレッチェに戻っていったのだった。
 つまらない、弱い、魅力がない。一体何の為にこんなチーム応援してんだろう。どこにも賞賛できる要素がない。本当にこの人達はプロなんだろうか。
 そんな疑問を浮かべてるとそれって昔はそれが当たり前だったことに気付く。3回も優勝したことですっかり忘れてたようだ。それでもあの頃は若手に希望を託していた。果たして今後、宮吉、松本、森島、高橋といった選手の成長を観ていくことはできるのだろうか。

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