新潟戦~精一杯のスコアレスドロー

2017/09/09 アルビレックス新潟vsサンフレッチェ広島 デンカビッグスワンスタジアム

 客少ないな。

 試合前のビッグスワンのスタンドを眺めるとどうしてもそう感じざるを得なかった。4万人の巨大スタジアムで満員だった試合を観たのはもう何年前になるだろうか。その客足の低下はそっくりそのままチームの成績に反映されてるろうで、お互いに下から1、2の順位を争ってるという状況である。残留争いとしてお互い絶対に勝たないといけない試合であるのだった。

 そんな裏天王山。新潟は前線からプレスを掛けてきて何度かビルドアップのパスを奪われゴールを脅かされてしまった。そして緩い横パスにはバクッと食いつかれてカウンターを受けてしまう。パススピードの速さ、相手のプレスをかわす技術、そんな基本的なとこが足りてない。この順位に甘んじてる原因を垣間見てしまったのだった。

 それでもどちらが有利と言えることもない攻守の入れ替わりが激しい試合だった。この中で不安要素だった左サイドバック高橋も破綻することなく相手の攻撃を封じていた。そこに少し安心しながらもオーバーラップからクロスを上げようとした時、やはり上げれなかった。やはり高橋にそこまで期待するのは酷なのかもしれない。

 と、そんな高橋が交代を告げられる。まだ前半ということを考えるとどこかしら身体にトラブルが発生したようだ。ただ、これで椋原がやっとピッチに立てたのだった。 即戦力としてのシーズン途中での移籍。今までどうして使わないのか不思議でしょうがなかった。が、淡々とした表情で出場した椋原は早々に左からアーリークロスを上げる。パトリックが競る。枠には入らなかったものの十分可能性は感じさせられる流れだった。キックの質では高橋より上。一体なぜ今まで使われなかったのだろう。

 ところがその後左サイドの存在感が希薄になってくる。しかも守備では早々にイエローカードを貰い自らやりにくくしてしまった。試合に出れなかったのはそういうことだったのかもしれない。

 それに気をよくしたせいか、新潟は時間の経過と共に前への圧力を強くしていく。跳ね返すサンフレッチェ。ところが不思議なことにサンフレッチェのクリアは見事に見方につながらない。新潟がヘディングで跳ね返すときちんと見方につなげているというのにそれはまるでミステリーだった。

 前に運びたい。でも前に進まない。後ろに下げて逆サイドに振って縦に進みプレッシャーからまた後ろへ下げ、そんなことを繰り返してる内に時間が刻々と進んでいく。勝たなきゃいけない試合で相手の深い位置まで攻めれない。柏のドリブルや柴崎の抜けだしからCKを得るのが精一杯であった。

 だが、このCKが決まらない。柴崎のキックは悪くない。千葉やパトリックが頭に当ててる。それでも入らない。枠に入らない。競り勝つまではいくがそれをゴールにすることができないのだった。

 それに引き替え新潟はちゃんと流れからシュートに結びつけている。そしてバイタルエリアからのシュートを中林は一旦はキャッチするもファンブルして後ろに逸らしてしまった。ゴールに転がるボール。素早い反応で間一髪で中林はボールを掻きだしたのだった。

 入ってると抗議する新潟の選手。確かに際どい。主審のさじ加減でどちらにも転がった可能性がある。助かった。だがこの辺に中林のGKとしての安定感のなさを感じたのだった。プロのGKだったら身体ごと地面にボールを叩きつけてしまわないだろうか。今シーズンの失点の多さにGKに問題があるのは明白だった。

 そして5分もあったアディショナルタイムでも1度もシュートを打つこともなく終わってしまった。せめて最期にやけくそでゴール前に放り込むとかできなかったのだろうか。まるでこの日を象徴するかのような尻すぼみな終わり方だった。

 不発だったパトリック。だがそこにしかシュートを頼ることができないというチーム状況。もっと攻める時間が多ければミドルシュートや左右のクロスで揺さぶることができたのだろう。そのせいか、パトリックも段々シュートが入らないサンフレッチェに同化してきたように見えるのだった。

 どおをどうやっても点の入らない攻撃。線の細いGK。対人に弱いDF。後ろが気になって前にいけない。前にいけないから後ろのリスク管理に比重が傾く。もうどこをどうやっても勝てないような気がするのだった。

 それでも勝ち点1は積み上げた。何気にヨンソン監督になって地味に勝ち点を積み上げている。でもこんなサッカーを続けてて本当に残留できるんだろうか。いよいよ残り試合は少なくなってきた。

 生き残りたい。生き残る為にどうすればいいんだろう。

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