新潟戦~開幕

2017/02/25 サンフレッチェ広島vsアルビレックス新潟 エディオンスタジアム広島

 開幕。中継を観るべく、購入したしたばかりのFire stickからDAZONを起動させる。

 確かこうだったような気がしたが。加入して以来一度も使ってないぼくは手探りで操作をして画像を現したのだった。

 おお、これがDAZONの映像か。おお、おお、ううん?どこかおかしい。くすんだように見えるのは気のせいではないようだ。世の中で4Kテレビとか言ってる時代に地上アナログ放送並の画質である。これでは遠目mp映像で誰が誰だか分からない。ああ、もうこの画質に慣れなきゃいけないということか。多額の放映見料を払ってくれたという反面、これは期待外れだった。今後加入者を増やしていくという面では厳しいのではなかろうか。

 失望感は拭えない。もはや試合より画像のことばかり頭を支配するのだった。

 ボールが前に行かない。パスでつないでいるようで半分過ぎたとこで息切れてしまう。それでもそのパスの精度と技術が高いものだから妙な安心感を持ってしまう。余裕はいつしか弛緩へと導かれたのだった。

 それに対して新潟は数人で速いプレスを仕掛けてくる。そんな圧力に屈してカウンターを許してしまった。裏へ抜けるパス。ああ、やられたと思ったがシュートは無事バーに跳ね返されたのだった。

 危ない。こういう場面を許してはいけない。そう気を引き締めたもののその直後に今度はCKでまたしても入ってもおかしくないヘディングを許してしまった。サンフレッチェがシュートまで持ち込めないのに反して新潟は実に効率のよい攻撃をしてくるのだった。

 そんなもどかしさを打破すべく左右のサイドを使い、はたまた中盤でのわずかな隙間を狙ってボールを運んでいく。徐々にではあるがゴールが近づいてるような気がする。そしてCKに持ち込むと水本がヘディング。ジャストミートするもGKに阻まれるもそこに詰めてた工藤がガツンとゴールにぶち込んだのだった。

 ゴール。よし、よし、よし、よし。早速新加入の工藤が入れたというのは幸先がいい。点を取るべき選手が開幕で早々に結果を出した。これは長いシーズンを見据えた上でとてもポジティブな要素だった。

 そして先制したことによりチームにも余裕が生まれた。更に大きな展開にボールが動き追加点を虎視眈々と狙う。リーグ戦初先発の森島もドリブルで突き進む。3人に詰められようとかわす、かわす、かわす。そしてペナルティエリアに入りシュート。うおっと一瞬ガッツポーズをしそうになったが、ポストに跳ね返されてしまった。ああ、あれが決まっていればスーパーゴールだったのに。そして勝利を決定づける追加点となってたのにと悔やまれるのだった。

 それでもまだ余裕があるのは勝っているからであろうが、その後またしてもカウンターを受けてしまった。必死の形相で身体を投げ出した水本だったがいかんせん相手は2人もいた。一旦は止めたもののこぼれ球になると田中達也にズドンとシュートをたたき込まれてしまった。同点、もうこれは言い訳のしようもないくらい綺麗に決まってしまったのだった。

 しょうがない、もう1点取ろう。下を向く暇もなく攻め上がる。だが人数を掛けて守る新潟は最後にゴールを割らせない。ミキッチの突破、バイタルエリアでのFK、狭いスペースでの崩し。色々とやってはみるもののどれもゴールに結びつかない。あともうちょっと、あと数メートル、あと数センチ。そんなわずかな距離であるにも関わらずゴールを割ることができないのだった。

 新潟が矢野貴章が2枚目のイエローで退場するも戦況はちっとも変わらない。どこをどう攻めてもゴールが割れない。もっとミドルシュートを打てないものか。塩谷も何度か狙えるポジションまで付けるも打たせてもらえない。ああ、もどかしい。どうしてこのあと一押しができないのだろうか。

 攻めて攻めて攻めまくっているようでそれほど相手に脅威を与えてる感じがしないのはどういう訳だろう。結局こうやってゴール前を固める相手を崩せないという課題は解決しないままということみたいだった。工藤、フェリペ、これらの新加入の選手がその鍵となると思っていただけにそういう意味においては解決にはつながってないと言わざるをえなかった。

 長いアディショナルタイム。あと1点、あと1点が欲しい。頼む、まだ終わらないでくれ。あとワンプレー、あとワンプレー。そんなぼくらの願いを聞き入れるかのように主審は終了の笛を吹かなかったものの、いくら攻めても決めきれないサンフレッチェに業を煮やしたかのように終了を告げられた。ああ、結局勝つことができなかった。

 ドローで終わった開幕戦。選手も一新し、フレッシュであったもののどことなく最後の一押しが足りない気がした。シュートも打ってるようで決定的なのはなかった。工藤ももっと強引にシュートまで持ち込む場面作れなかっただろうか。フェリペも密集を打破するようなプレーは出せなかっただろうか。稲垣もミドルシュートを打てなかっただろうか。そんなスーパーな要求ばかりが膨らんでくるのだった。

 勝てない試合じゃなかったな。そう思う度にため息が出る。どうしてあんなに優勢に試合を進めてて勝てないんだろう。そんな徒労感を背負いつつも、次はきっともっと輝かしい試合を見せてくれるだろうと期待に胸を膨らますのだった。

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