ルヴァンカップ・ガンバ戦~負けに等しいドロー

2016/08/31 ルヴァンカップ準々決勝 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪 エディオンスタジアム広島

 ヤマザキナビスコカップから名称変更したルヴァンカップ。ACL出場により準々決勝からの出場となったのは両者同じだった。対戦相手のガンバ大阪、昨シーズンのチャンピオンシップから始まり天皇杯、ゼロックス、リーグ戦2試合と続いた挙げ句にまたこの大会で2試合の対戦。正直なところちょっと食傷気味ではあった。ところが同カードで直近の2試合では連敗してるだけにいいイメージがない。

 ところが出足はサンフレッチェの方が良かった。落ち着いてパスを回して相手に取りどころを与えてない。そして機をてらって中へ入れ、サイドから仕掛け前線に運んでいく。そこで最後の崩しを入れようとしたとこで詰まれてしまう。ラストパスを送ったとこで打ち切れなく終わってしまうのは決まって茶島なのだった。

 せっかく先発起用されてるというのに茶島は決めない。この選手の最大の欠点は間違いなく得点力の無さだ。出場機会あ巡ってこない理由は間違いなくそこにある。ただ、それは本人も分かってるらしくゴールを狙う動きは常に繰り返してる。裏へ抜け出す動きだとかゴール前に入ろうとしたりとか。それなのにゴールの予感がちっとも沸かないのはどうしてなんだろう。足も速いし技術もある。それなのになぜにゴールが奪えないのか、海溝より深いミステリーであった。

 ただ、それでも茶島のゴールに期待を寄せるもウタカのパスはどこかズレていた。いや、それどころかロングボールを受けると必ずファールを取られてしまう。手に当たっただの足を上げただの。でもその割にマークしてるディフェンダーが足を上げてクリアしても笛は鳴らない。ん、ちょっとおかしいんじゃないかと疑問を感じるのだった。

 ところがウタカはやはり技術があった。これは取られただろと思った相手の寄せもスルスルと切り抜けパスをつないでしまう。それによりサイドの清水も上がることができる。そしてクロス。そこまでの流れは素晴らしいもののそのボールは決まって見方のいないところへ落下してしまう。どうしてここまでフィニッシュが合わないのだろうか。

 そんな感じに頭を悩ましてた時、FKを得た。距離からして誰かに合わせるのだろうがこれだけゴール前を固められると入りはしないだろう、そんな気がしてた。そして事実、ゴール前に放たれたキックはDFの頭でクリアされてしまった。

 しかしこのボールが上に飛んだがいいことに再び押し込もうと競る。そして一度はウタカの目の前に来るも混戦の中跳ね返される。が、そのセカンドボールに柴崎が飛びついた。振り抜いたキックはゴールに入った。

「よっしゃああぁ!」

 思いがけない先制である。そして柴崎もこういうとこで決めるのがいい。同じシャドーのポジションをしながらもこういうとこが茶島と違うとこなのだった。

 だがこれで勝ったという気は全然しなかった。サッカーとはそんな簡単なものではない。それは今シーズン何度も煮え湯を呑まされたことでしっかりと学習させられている。そこで何度も迫る相手の脅威も身体を張り最後の最後にくい止めることで段々とこの試合はもう行けるかもという気がしてきたのだった。そしてそれを盤石にしたいが為にもウタカに代えて寿人が入り追加点を狙うのだった。

 ウタカのように一人で2人、3人剥がすということのできない代わりに寿人は前線により連動性を高める。そして相手を追い込む攻撃が続く。だけど最後が決まらない。そうしていく内に寿人も茶島も段々と存在感を薄めていき、気づいたら守備ばっかりの状況になってしまった。堪えて堪えてカウンターを狙うのだった。

 そしてそんな場面は訪れた。あわや相手のオウンゴールかと思われたボールはバーに跳ね返されるも青山の元へ。ダイレクトでシュート。だがこれがDFのブロックに遭い追加点を取ることができなかった。

 すると今度はガンバの中盤から前線へ一気にパスが通る。ペナルティエリアでの1対1。ガンバの呉屋はフェイントを入れると千葉は見事に釣られてしまいシュートを打たれるとゴールを決められてしまったのだった。

 同点、決まったのかよ。

 言葉が出なかった。あれだけ攻めても攻めても決めきれなかったシュートをガンバはたった一人の個人技で決めてしまったのである。その喪失感はまた深層に沈み込むように深く、スタジアムの光景も急に閑散としたもののように感じるのだった。

 そしてその後浩司を入れるなどしたものの何事も起こらず終了。アウェイゴールを与えたことで負けに等しいドローだった。

 やっぱりガンバには勝てないのか。

 試合前もった嫌なイメージはやっぱり断ち切ることはできないのだった。

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