柏戦~永遠に勝てないイメージ

2017/04/01 サンフレッチェ広島vs柏レイソル エディオンスタジアム広島

 開始25秒、大谷のロングシュートが入ってしまい唖然とした。得点力のないチームがこんなにも簡単に点を与えてしまったことに開いた口がふさがらなかった。もう負けた、完全に負けた。高笑いする柏の選手の表情を観るにつけ敗北感が重くのし掛かるのだった。

 未だ勝利のないチームでありながらそれでも今日こそは勝ってくれるだろうという淡い期待は脆くも崩れ去った。それもこれも柏の前からのプレスの圧力に屈してしまったからだった。

 それにより柏はより自信を持って前に突き進んでくる。縦パスを入れゴール前に突進してくる。そんな攻撃に人数を掛けようとまるでモノともせずシュートまで持ち込む。対してサンフレッチェの攻撃となると全く持ってお寒い限りだった。

 ゴール前でやっとこさボールを奪う。そして前に蹴り出すもそれが全て相手へのパスとなってるのだった。ああ、情けない。情けない、情けない、情けない。もはやこれは大人と子供の試合だ。

 それでもカウンターの場面が訪れる。フェリペがゴール前、裏へ出す。飛び出す工藤。GKと1対1。これは決める、決めろ。そう叫んだ声も空しくGKにぶち当ててしまった。ああ、このフィニッシュの場面でこの結末。確かにぼくのような素人がやるとこうなるだろう。だがプロのストライカーとしては致命的だった。この時点でもはや工藤に得点を望むことは諦めてしまった。

 点を取るはずのワントップに得点力がない。それならばとサイドから清水が何回か仕掛けを試みるもやはり得点にはつながらない。それなら後ろからミドルシュートと塩谷が狙うも打った瞬間外れるとわかるくらい精度がない。どこからどうやろうと点が入らない。これはもう絶望的だ。せめて失点さえしてなければ同点に希望を見出すことができた。

 観てて段々と意識が遠くなっていった。チームに活力がない。どよーんと靄がかかったかのようだ。沈んでいく、沈んでいく、沈んでいく。まるでここは日の落ちた海洋であるかのようだ。陸はどこにも見えず波は荒れている。船には穴が空き静かにその船体を水面から下がっていくかのようだ。

 それでも波に抗うが如く攻撃への姿勢を見せる。左右に振りパスでつなぎやっとサンフレッチェらしさが出てきたと思ったその時だった。低い位置で青山がボールを奪われるとゴール前へ入れられるとフリーで入られた柏の選手を林が倒してしまった。PK、文句の言いようのないPKである。

 そしてそのPKをあっさりと決められ万事休すだ。もはや2点を追いつくなどということは3人くらい増やしてもできそうもなかった。それでも柴崎が入ると攻撃にテンポが訪れる。高橋壮也が右サイドからクロスを入れようとする。清水もサイドの攻防を仕掛ける。だがどれも効果的な攻撃へと結びつかない。ああ、やはり欠場してるミキッチ、柏には及ばないのだろうか。

 宮吉を入れ皆川を入れ攻撃にテコ入れする。が、惜しいとこまではいくものの決めきるとこまではいかない。何だかいつもそんなことを繰り返してるような気がする。いい攻撃はできてる、あとは決めるだけ。だけどいい攻撃ができてないチームに何度も失点を食らってるだけにそれが何の慰めにもならないのだった。

 そして点の取れないまま試合終了。喜ぶ柏の選手には余裕に満ちた笑顔が観られた。ああ、惨めだ。どうしてこんな惨めなんだろう。それはそのはず、開幕未勝利の上4連敗なのだから。

 工藤、フェリペ、それらの新加入選手はちっともインパクトを残せてない。そして青山、千葉、林などチームの中心である選手達もピンチを量産している。ボールは奪えない、マイボールにしても敵にパスをする。どこをどうやっても勝てる要素というのが見つからない。やはり今年は厳しいシーズンになるみたいだ。

 せめて1勝、1勝くらいはしてくれないだろうか。もはや永遠に勝てないような気がしてきた。どうやったら勝てるのだろう。いや、せめて開始25秒で失点しない方法だけでも教えてくれる人はいないものだろうか。

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