大宮戦~勝利への渇望はあるのか

2017/06/25 サンフレッチェ広島vs大宮アルディージャ エディオンスタジアム広島

 降格争いのライバル、裏天王山。ああ、この響き、何て空しいんだろう。試合を盛り上げる要素ではあるものの改めて自分たちが降格争いをしてるという屈辱を感じざるを得なかった。
 そしてやはり降格争いをしてる同士の対戦、プレーの精度はどちらも低いと言わざるを得なかった。
 シュートさえ打てないセンターフォワード、チャンスをあってもそれを決めきれない選手達、慎重過ぎるくらい慎重な攻撃への組み立て、まずは失点したくないという両者の精神状態をよく表した前半なのだった。そんな後ろ向きな姿勢は尚のことゴールから遠ざけてるような気がするのだった。
 それでもサンフレッチェの方がチャンスはつくってるようには見える。柏のロングボールを青山がヘディングするも枠を大きく外れる。その後もクロスが入るも枠に入れられない。そして圧巻はカズから皆川へ入った時、ターンkらシュートするも外してしまった。もうこの外しっぷりには脱力した笑いがこみ上げてしまったのだった。
 決めれない、決めれないサンフレッチェ。攻めても攻めても誰もシュートを決めることができない。そんな嘆きを感じていた時大宮のFW江坂のドリブルが始まると野上は止めきれない。後ろから追うも競ることもできずシュートを打たれると決められてしまった。たった1回の決定機である。1回のチャンスをモノにした大宮と決められない皆川。両者の勝負は最初からついていたのかもしれなかった。
 当然この後からギアを上げるもまたしても相手はゴール前にへばりついて身体を張って守ってくる。そこでどこをどうあがこうと決めきることができない。皆川、ロペスに代わって工藤、宮吉が入ると多少可能性は感じるようにはなったものの依然として点は入らない。もうここまで来ると笑いがこみ上げてきてしまった。
 どうにもならなくなって攻撃への圧力を強める。最初からやればよかったのに。
 毎度毎度感じる苛立ちをこの試合も見事に再現してしまった。そして圧巻は終了間際に大宮にボールを持たれるとまるでプレスをかけようという気迫を見せなかったことである。時間がなくて焦ってるはずのサンフレッチェの選手は大宮の時間稼ぎにまったく切迫感も持たずに緩く受けてたつとするするっとかわされ追加点を取られてしまったのだった。
 ああ、終わった。
 さすがにこれ以上試合を観続ける気概はぼくには持てなかった。もう当分サッカーなんか観たくなくなった。そしてサンフレッチェという存在すらぼくの頭から消去したい、そんな気分になったのだった。
 身体を投げだし全員で一体になってゴールを守った大宮に比べてサンフレッチェの守備の何と軽いことよ。ゴールを決めれずに当たり前にスタメンを張り続けるFW、毎試合失点に晒されるDF陣、致命的なボールの奪われ方をするボランチ、このチームのどこに魅力があるのだろう。もっと昔はみんなガムシャラだったような気がした。下手でも弱くても勝とうと必死だった。だからこそ2006年の降格の時は悔しくて泣いたし2002年の時もそうだった。果たして今回降格して、本当にあの時のような気持ちになれるのか、そっちの方が心配になってしまうのだった。

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