浦和戦~儚き想い

2017/10/29 サンフレッチェ広島vs浦和レッズ エディオンスタジアム広島

 また負けた。結果を先に書いてしまう程に喪失感がある。点が取れない。とにかく点が取れない。3試合連続無得点というのが更に空しさを煽る。どうしてここまでなったのか。どうしてここまで落ちぶれてしまったのだろうか。
 チームの建て直しとしてヤン・ヨンソン監督の就任。その後走力をベースとしたサッカーへと変貌を遂げ勝ち点を重ねていった。トップにはパトリックというストライカーが入り後ろにも魂の入った守備の丹羽が入るテコ入れは上手くいったかに見えた。が、ここに来て失速。その最も大きな原因が得点力のなさなのだった。点が入らないと勝てない。その最も根源的なことをサンフレッチェはできなくなってしまったのだった。
 ここのとこでヨンソン監督の見積もりの誤りが見て取れる。誰も点が取れないのなら最初から引き分け狙いというやり方もある。守って守って相手がじれたとこでカウンターでチャンスを掴む。ああ、久保達彦がいればそんな戦術もできたのだろう。
 今のサンフレッチェにとって足りないのは割り切りではなかろうか。4年間で3回優勝したというプライドが邪魔をしてるのかもしれないが、もはやつなぐサッカーを目指してる場合ではない。なりふり構わず前に蹴るだけのサッカーをやっても構わないのではないだろうか。そこでパトリックのガタイを生かす。そもそもがそういう理由でパトリックを取ったのではないだろうか。
 そのパトリックであるが終了間際にゴール前でシュートをGKにぶち当ててしまった。あそこでほんの少しボールを浮かすことができなかったものだろうか。焦りが焦りを呼びそれがゴール前での冷静さを奪っているかのようだ。
 他にもアンデルソン・ロペス。どうしてあんなにシュートが下手なんだろう。そして往々にしてこの選手はその時々のプレーの選択を間違ってしまうのだ。その結果せっかくのチャンスを潰してしまい枠に入らないミドルシュートを打って攻撃を終わらせてしまうということがあまりにも多すぎるのだった。
 ただ、それでもシュートを打つイメージを持ってるのがこの2人しかいないというのがまた寂しい。ああ、サッカーにおいてゴールの可能性がないという前提で観るとそこにどうやって楽しみを見出せばいいのだろうか。
 つまらない、つまらないサンフレッチェのサッカー。どうしてこんなチームを応援しているんだろう。そこに自問自答を繰り返すのだがよくよく考えたらこれってはるか前はこんなことばかり言ってた気がする。だから元に戻っただけといえばそうなのかもしれない。
 それでも初めて降格した2002年、最期の最期は残留への希望を見出した。そして奇しくも最終節でその想いは絶たれ降格の憂き目に遭うと泣いてしまった。ただ、そこには泣かずにはいられない激情があった。
 果たして今回降格するとどうなるだろう。あまりにも淡々と負けてるような気がする。勝ちたいという執念が感じられない。結果が伴わない今、せめてそんな熱いものだけでも感じさせてもらえないかと願うのだった。

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