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セレッソ戦~点差以上の完敗

2021年9月22日 サンフレッチェ広島 vs セレッソ大阪 エディオンスタジアム広島

 連戦続きかと思えばパタっとなくなり暇だと思っていたらまた週2回のスケジュールとなる。かくも変則な今年の日程だが、いつの間にかそういうのにも慣れてきた。チャイナウィルスの蔓延とオリンピック開催の影響はいつの間にか当たり前のことにすらなってしまった。
 前節から3人入れ替えた。とはいえハットトリックを決めたヴィエイラはスタメンに入っている。ピッチに現れた際の満面の笑顔が自信を伺わせる。そしてシャドーに入った浅野も結果に飢えている。この試合勝てればチームとしても波に乗れる。そしてそんな雰囲気はチームに充満して開始直後から前線からのプレスで高い位置でのボール奪取を狙うのだった。
 すると中盤カットから前線へ送り込まれたボールにエゼキエウが抜ける。GKを前にして切り返した。それが戻ってきたDFに摘まれてしまう。どうもこの選手はそのまま打てばいい場面で余計な切り返しをしてしまいシュートチャンスを潰してしまう傾向がある。そこが技術がありながら今一つシュートが打ててない理由なのだった。
 それでも背後へのパスが中盤から出るとヴィエイラが飛び出す。GKと1対1。シュート、ぶち当てた。ハットトリックの決定力はどこへいったのやら、結局いつものヴィエイラらしく決め切ることができないのだった。
 ただ、開始早々の立て続けのチャンスは幸先がいい。このまま先制点を取っていきたい。依然として前からのプレッシャーを強める。が、そこを外されると一気にゴール前へ蹴り出される。最終ラインを抜けた。やられた、と思った瞬間GK林の飛び出しによってクリア。最終ラインの後ろに林がいるというのはやはり安定感が違うのだった。
 ところがここからサンフレッチェのパスが引っ掛かるようになると前からのプレスも空回りするようになる。そうなると前に出てる分後ろが空き一気に背後へとボールを送られる。必死に戻るDFは何度もゴールを脅かされ次第に主導権がセレッソに移ってしまうとそのまま防戦一方になっていくのだった。
 奪っても後ろで繋げることができずパスミスのオンパレード。サンフレッチェはプレスがちっとも掛からない反面逆にプレスを受けると滅法弱い。オロオロとパスで逃げようとするも結局最後はGK林まで戻してロングキック。もしくはラインを割ってCK、スローインである。この危機を脱しようと浅野が単独で相手ペナルティエリアまで侵入してシュート。CKに持ち込んだのだった。
 ハイネルの強くカーブするキック。のはずがなぜか低い弾道で簡単にクリアされるとそのままカウンターへとつながってしまう。全てが全て裏目に出る。もうこれはこのまま前半を終えてハーフタイムで修正を図るしかない。
 無事前半を無失点で切り抜け修正を施されただろうと思っていたものの後半になってもペースはちっとも変わってなかった。劣勢だったチームがハーフタイムを区切りに生き返るというのはよくあることだがサンフレッチェに限ってそれはないのだった。と言うより城福監督にはそういう能力が備わってないのだった。
 バイタルエリアに入ると反転してシュートを狙われる。どんなに守備に人数を掛けようと一向にプレッシャーにされてない。ゴール前を固める。中盤から放り込まれたボールは胸トラップで中央に落とされそこからワンツーで打たれた。ゴール隅に転がるボール。そのまま中へ入ってしまった。
 失点。堰き止めていたものが決壊した瞬間だった。そこで慌てて3人のメンバー交代。え、今かよと驚嘆する。失点する前に代えてたら。動きが遅い。ああ、城福監督。城福監督・・・・・・。
 青山、柴崎、東は明らかにペースを変えた。リズムが生まれてくる。パスにテンポが出てきた。だけどシュートまでいけない。肝心なとこでパスが引っ掛かる。それに対してセレッソは守備の間、間にうまく通してくる。両者の間のチーム力の差は歴然だった。
 サントスが入り打開を図るもパサーとの意図が合わない。DFの佐々木が上がりゴール前の密集に向けて強いボール。それがスルーパスとなり浅野が抜ける。GKを目の前にして打ち込む。ブロックされるも再度蹴り込むとGKの脇を抜け入った。やったと思ったものの副審の旗が上がっていたのだった。
 オフサイド。惜しかったが浅野はこれで3回くらいチャンスを潰している。キレのあるドリブルは魅せるものの明確な結果を出すことができない。サンフレッチェの得点力不足の要素には浅野の得点力の無さも大きいのだった。
 アディショナルタイムになるとセレッソが効果的に時間を使う。3人掛かりでもボールを奪えない。無常にも過ぎていく時間。攻めれば攻める程カウンターのチャンスを与えるという悪循環。どうしても点が欲しいという時他のチームが怒涛の攻撃をしていくような迫力を出せないまま終了してしまうのだった。0−1での敗戦。連勝してノっていくという機運はものの見事に頓挫してしまったのだった。
 先制すれば失点し、失点をすれば取り返すことができない。今シーズンを象徴するような試合だった。もう今年は落ちなければいい。ついこの前まで思ってたことがやはり現実なのだろうか。上を見るというのはもうできないのだろうか。あれだけ昂った試合前の高揚感は見事に失望感と劣等感に置き換えられたのだった。

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