浦和戦〜完敗

2018年7月28日 サンフレッチェ広島vs 浦和レッズ エディオンスタジアム広島

台風12号の接近により関東の数試合は延期とされた。豪雨で被災した広島にとっても上陸は不安だった。が、先に通過した関東でも心配した程の暴風雨にもならず少し肩透かしの感があった。といって気象条件の変わった現代において防災意識を持つのは必要なことである。
 雨さえ降ってないエディオンスタジアムだった。それでもムアッとした湿度があるのが選手の肌からにじみ出る汗から想像できた。そんな暑さからか、どことなく動きが重い。そしてパスを回せばミスが出る。特に和田のキック精度が異常に低くどこか身体がおかしいのではないかとさえ訝ってしまった。そのお陰で浦和の軽快な攻撃ばかりが目立つのだった。
 人数をかけて守備を固める。それでもスルスルッと上がった武藤のドリブルを止められずスルーパス。飛び出した興梠が決めた。ああ、7人ぐらいで取り囲んでるのにまるで止めることができなかった。軽い、なんという軽い守備なんだろう。この時点でもう勝てる見込みはなかった。
 ところがバイタルエリアでのFKを得た。それでも実際にポジションを取るとさすがに可能性は低い。柴崎が蹴る。ファーサイドに上がったボールに千葉が合わせた。ループになったシュートが入った。同点。前半の内に同点にすることができた。これでまた攻撃に弾みがつくだろう。
 そんな期待通りに後半はサンフレッチェが攻める。柏が左サイドを駆け上がる。クロスが上がる。パトリックが合わせる。ティーラシンが合わせる。だが入らない。ジャストミートさせつつも枠に入らない。GKに阻まれる。それでもまだまだこういうチャンスがつくれる気がしてたがそれがいかに甘い幻想だったのかというのをこの後思い知らされるのだった。
 どこをどうやっても最終ラインを瓦解することができない。パスを回せば回す程ゴール前を固められる。そうやって攻めあぐねている内にカウンターを食らってしまうとペナルティエリアに柏木に入られてしまった。追走する佐々木。その瞬間柏木が倒れるとPKを宣告されてしまった。
 ああ、また佐々木がやってしまった。今シーズン3回目ではないだろうか。この癖はどうしても治すことができない。といいつつあれって倒れるようなシーンだったろうかという疑問も残った。その証拠にその後中継ではファールのシーンを詳細には流してない。こういうとこで簡単に倒れた柏木。思った程成長しなかったのはこういう理由だったんだろう。
 そしてこのPKを興梠にあっさり決められると浦和は貝のように引き籠る。そしてどうにか局面を打開しようとボールを前に運ぼうと試みる。するとそこで考えすぎたのか、稲垣が中盤でボールを奪われるとそのまま速攻。またしても柏木がドリブル。シュートではなくマイナスのクロスに対応できず綺麗に3失点目を食らってしまったのだった。
 終わった。どんなにやっても点の取れない状況で2点差はもはや絶望的だった。ボールを奪われた稲垣は奪われる必要のないとこで奪われてる。そこがまた気分を萎えさせ落胆を大きくさせるのだった。
 活路を見出そうと川辺、ベリーシャ、松本が入る。だがその中の誰一人として戦況を変えることができなかった。そして最後は浦和のボールを取れなくなってしまい駄目押しの4点目を決められてタイムアップ。いいとこなしというより浦和の、浦和による、浦和の為の試合になってしまった。1-4、もはやこのスコアに何の言い訳もできないのだった。
 ここ4試合、退場者の出た試合以外で勝ってない。これはマズイ。勝てなくなってきてる。点が取れなくなってしまった。FWの頭数だけは多いのにパトリック以外点を取らない。攻撃のパターンも槙野に全部読まれてしまっていた。グラウンダーのクロスなどは全てカットされてたことに試合中気づかなかったのだろうか。
 勝てない、点が取れない、守り切れない。それでいてチャンスはつくりだしてるし守備もしてるようなので始末が悪い。一体どうやったら勝てるのだろうか。そんなごく単純なことの回答が欲しいのだった。

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