ムアントン・ユナイテッド戦~タイ遠征最終日

2018年2月5日 プレシーズンマッチ ムアントン・ユナイテッド vs サンフレッチェ広島 サンダードーム・スタジアム

 タイ・キャンプの最終日として観客を入れての試合。相手はACLにも多数出場経験のあるムアントン・ユナイテッド。タイ国内では強豪であるこのクラブの試合はさぞ多くの人が集まってるだろう、と思いきや空席ばかりが目立つ閑散とした状態だった。そこに多少の見込み違いがあったものの、中継があるというのことは喜ばしいことだった。こんな試合まで中継してくれるなんてDAZNに多大なる感謝をするのだった。
 選手の入場。一人一人顔を確認すると昨シーズンからかなり顔ぶれが変わってる。新加入の選手含めて若返りの様相が強い。そしてキャプテンマークは柏が巻いていた。一体誰がつけるんだろうと議論になったこともあるが、これは盲点だった。
 だが一番気になったのはアタッカーである。昨シーズンの不調の原因はとりもなおさず点が取れないことだった。だからこそJ2 で20ゴール決めた渡のプレーが観たかった。そんな期待に応えるべく城福監督はスタメンで使ってくれたのだった。
 開始早々サンフレッチェはボールを支配し敵陣に攻め込む。森島が技巧的なパスで相手の間を抜く。丹羽もサイドを駆け上がって攻撃参加する。そんな右サイドのボール回しから中央へ行くと磐田のレンタル移籍から復帰した川辺がスルーパス。飛び出したのは稲垣。が、シュートは枠をとらえることはできないのだった。
 その後もサイドからクロスが入るも中で合わせることができない。そして柏のドリブルから中央ペナルティエリア内でボールを受けた渡がシュート。が、これも相手のブロックに防がれる。更につぶれ役となった渡のこぼれ球を稲垣がシュート。が、これもGKにぶち当ててしまうのだった。
入らない。
 ああ、この言葉を今年も続けなくてはいけないのだろうか。ゴールまでほんの数メートル。それが何と遠いことか。
うう、もどかしいい。もどかしい、もどかしい、もどかしい。
 沢庵の端をギ~ッと噛みしめたいようなモヤモヤの中、後半になるとメンバーがほぼ一新された。そしてその中にはティーラシンの姿も。前半にはムアントンのユニフォームを着て敵として出てたというとこからホームのサポーターへのサービスの演出なのだった。
 一体どんなプレーをするのか。注意深くそのプレーを追うが合流して間もないだけにサンフレッチェのサッカーに馴染むのはまだ時間がかかるだろう。
 そんな時、中盤のボールカットからゴールに向かう。ムアントンの選手は素早い戻りでゴール前を固めると最後尾からオーバーラップした馬渡の姿が。右サイドでスルーパスを受けた馬渡は弾道の低いクロス。中央で触ったティーラシンのシュートはGKに触れることすらできずに入ったのだった。
 先制点はサンフレッチェ。だが決めたのがティーラシンということで両方のサポーターの喜びの歓声が聞こえる。2人、3人と絡んだサンフレッチェらしいゴールに新加入の2人が絡んでるというのは嬉しい驚きでもあった。
 そしてそのまま0-1のスコアのまま試合を終える。最低限の結果は残した。でもムアントンのプレスは緩かったようにも感じる。そして決定機でシュートが入らないというのも相手のプレイスキックで競り負けてしまうというウィークポイントも改善されてない。なので単純に勝ったことを喜んでいいのかどうか悩むところでもあった。
 ベンチのコーチ陣も社長も代わった今シーズン。正直まだ違和感はぬぐえない。そしてこのままJリーグを戦うにはあまりにも不安が大きい。不安で不安で不安だらけだ。この不安、そういえばかつて味わったことがある。だけど今はまだそれを口にするのは控えることとしよう。

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