磐田戦~決めそうで決めれなかったものの勝利
2016/07/02 サンフレッチェ広島vsジュビロ磐田 エディオンスタジアム広島
暑い、暑い。じっとしてるだけで汗がにじみ出る。もうこれは40度ぐらいあるんじゃないかと思って温度計を見てみたらまだ30度にもなってなかった。それでこの暑さならこの先どれだけ暑くなるんだよ。そう考えると目の前がくらくらしてくるのだった。
フォーメーションは2トップ2シャドー、アンカー1枚と前節と同じ。それで上手くいったという要素も大きいが同じ布陣を敷く限りどのチームも対策ができてしまっている。違った形をやることによってオプションを増やすことは課題でもあった。
ところがこの布陣、前に人数を置いてることにより超攻撃的とも言える。バランスを考えると守備での不安は残る。早めに先制点を取りたいものだ。
そして確かにゴール前まではボールが運べた。だがシュートを打っても入らない。最後の最後にジュビロのディフェンスが身体を投げだしブロックしてしまう。ウタカがゴール前でシュートした時などは「入った!」と半分飛び上がってしまった程だった。
決定的シュートが出る。でもその度に防がれてしまう様にもしかしてヤバイのではという気がしてきた。優勢に進めつつもチャンスを逃したチームが失点を食らうというのはよくある話。このまま決められないでいると逆に食われてしまうかもしれない。
そんな過剰な不安を抱いたのも磐田には前回対戦で見事に試合を制圧されてしまったという実感があるからだ。そしてあの時もは丸谷がボランチで出場してパスをことごとくかっさらわれてピンチを招いた。だが今回に関しては布陣が違うせいか丸谷個人へプレッシャーは少ないような気がしたのだった。
更に前回はサイドもあまり機能しなかった反省からか柏が右サイドでキレのあるドリブルを仕掛ける。相手の逆を突きアーリークロスをウタカへ上げる。DFと競った状態でウタカがボールを落とす。すると後ろから猛然として走ってきた柴崎がゴールまで一直線に伸びる強烈なシュートを放ったのだった。
GKも一歩も動けなかった。柴崎3試合連続のゴールである。今一つ勝ちに恵まれない時期、シャドーの柴崎がちっともゴールを決めれなかった。その分ウタカへのマークも厳しくなり相手にとって守りやすい状況だった。その柴崎がゴールを決めるようになったというのは明るい兆しであった。
だが柴崎の活躍はこれで終わらなかった。左の清水からパスが出るとスルー。そしてウタカが受けると縦へスルーパス。そのボールの軌道にはすでに柴崎が走り込んでおり、GKとの1対1を簡単に決めたのだった。そこまでの流れ、まるで水が流れるようだった。そしてこれこそ広島の攻撃であった。美しき広島のゴールであった。
2点差。その数字の有利さもさることながらああいうゴールが観れたことに心酔するのだった。これまでどことなくあった停滞感が払拭されたような気がするのだった。
だがこうなると寿人や浅野といったアタッカー陣のゴールが観たい。そんなよくばりな感情が沸いてきたが磐田が点を取ろうとすることもあってオープンな展開となってきた。その分チャンスも訪れる。ウタカの落としから浅野がペナルティエリアに切り込んでシュート。だがこれはGK真正面でキャッチされた。
「あ~さ~のーっ!」
思わず声が出てしまった。せめてGKにキャッチできないシュートならこぼれ玉を狙うことができただろう。
すると今度はカウンターで浅野がドリブル。フリーの寿人へ。ボールをコントロールすると裏へ出すと浅野が走っていた。今度こそはとDFをかわしてシュート。強い弾道だったもののまたしてもこれをGKに弾かれる。だがそのセカンドボールがウタカの前にこぼれると冷静な判断でゴールのファーサイドに入れたのだった。3点目。時間も考えれば決定的とも言える得点だった。
半分くらいは浅野のゴール。でも自分で決めきれなかった悔しさはあるだろう。実際、このゴールが決まった瞬間浅野だけは喜んでるようには見えないのだった。
その後は交代で入った宮吉やキム・ボムヨンもアピールをしようと積極的なプレーをしていく。そして最後には吉野が短いながらも出場して経験を積ませてもらう。それらのプレーにゴールに迫るものもあったものの最後の精度がなく切れきれなかったがそのまま3ー0の勝利で終わった。
連勝というなら喜ぶべきだろう。だけど数々のチャンスを逃したという気分の方が強いのは贅沢なことだろうか。でも結局ACLも勝てなかったし更なる高見を目指すならそういうとこで妥協はできないだろう。
そして次節勝ち点で上まる鹿島である。そしてアウェイで4失点をした雪辱がある。気温も上がり連戦になる。本当に厳しいのはそこからなのだった。
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