ルヴァンカップ浦和戦~チャレンジのない引き分け

2018/04/04 サンフレッチェ広島vs浦和レッドダイヤモンズ エディオンスタジアム広島

 今シーズン負けなしのサンフレッチェ。それはこのルヴァンカップでターンオーバー制によってメンバー総入れ替えをしながら勝ったというのが大きい。リーグ戦のメンバーは勝たないと代えられるので勝たないといけない。カップ戦のメンバーは勝たないとリーグ戦に選ばれる可能性を閉ざされてしまう。相乗効果が上手い方向にいってるのだった。
 その中でリーグ戦組であったティーラシンと川辺がスタメンに入り若干のメンバー変更が行われることによっていよいよ全員にチャンスは巡ってくるという示しになるのだった。
 対して浦和は成績不振により監督交代の初戦である。こちらもメンバーを大きく入れ替えてきてどういう戦いをしてくるのか不明な部分もあったが、それでもサンフレッチェの方が積み重ねがある分有利であるだろう。そもそもルヴァンカップは2連勝中でグループ首位である。ここいらで突き放してグループリーグ突破に弾みをつけたいものである。
 そんな意気込みで試合に入り早々にゴールに向かうプレーがあった。バイタルエリアで受けた渡は迷うことなくシュート。右に空いてる見方がいたのだが打ったのはストライカーならではの習性だろう。ゴールの上を抜けていったもののこれはこれでゴールへの予感をかんじさせるものだった。
 その後も馬渡が右サイドを突破する。グラウンダーのクロスに渡がヒールキック。意表は突いていたがGK真正面。ゴール前へ出たボールもティーラシンが飛び出すもGKにぶち当てそのセカンドボールも馬渡がDFにぶち当ててしまう。決定的場面をことごとく決めきれない。そこを見切ったのか後半はティーラシンに代え工藤が入るのだった。
 ルヴァンカップにおいてはこれまでやってきた2トップに戻った。なのでよりやりやすくなるだろう。工藤にしても結果に飢えているに違いない。
 そんな折、中盤からぽっかり空いたスペースへボールが出た。走る工藤。飛び出したGK。ここを抜けるとがら空きのゴールが待ってる。そこをかわせ、抜くんだ。自然と腰が浮いてしまう。が、ここでGKにボールをカットされてしまった。ああ、なんてことだ。あれをかわせないなんて。果たしてこれはストライカーに対する要求としては過度なるものなんだろうか。
 その後も工藤はCKを当てつつも枠に収められない。競り合いの中だし当てただけでもいいのかもしれないが、もはや工藤にゴールを期待することはできない。もういい、誰でもいいから決めてくれ。
 するとまたしても馬渡がサイド深くえぐって折り返す。逆サイドで待ち構えてたフェリペはどフリー。
 決まった、これは決まった。
 声に出さずとも自分の中で叫ぶとシュートを打ったフェリペの姿があった。
 ドカーン!
 まるでそんな音が聞こえそうなくらいボールは高く舞い上がってしまった。ああ、外した。あれを外してしまうかよ。焦った、タイミングが合わなかった。色々な言い訳が浮かんでくるんだろうが少なくともフェリペはリーグ戦へ出るチャンスをみすみすのがしてしまったのだった。
 そんな決定的チャンスをことごとく決めきれないでいると浦和も息を吹き返し攻撃に厚みをましてくるようになった。吉野を入れ稲垣を入れもはやベンチの采配も失点をしない方向へ向かうのだった。マルティノスがドリブルする度に肝を冷やされる。それでも最後の最後は身体を張って防ぐのだった。
 結局そのままスコアレスドローで終わる。点が取れなかったのは悔しい。だがそれ以上に失点をしなかったことに大きな安堵を感じるのだった。
 どことなく縮こまったサッカーに見えた。川井などボールを持った時に次のプレーを考えることが多かった。それが象徴してるようにどこか思い切りのないサッカーに見えたのはぼくだけだろうか。

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