札幌戦~未だに勝てないサンフレッチェ

017/03/18 北海道コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島 札幌ドーム

 開幕3戦、勝ちのない者同士の対戦。ところが札幌は残留が目標、サンフレッチェはタイトルが目標ときてこの両者の立ち位置は大きく異なる。そして試合はそれを体現するかのようにサンフレッチェの一方的なボール支配で始まるのだった。

 完全なるミラーゲームとして札幌はサンフレッチェと同じフォーメーションで臨み守備時においては完全にブロックを固めて対応した。そしてそんな札幌に対してサンフレッチェは右サイドの裏を突きミキッチが突破する。そして何本かクロスを上げるもゴールに結びつかない。いい攻撃はできてる。だけどそれを決めきることができないのがサンフレッチェなのだった。

 そんなジレた展開に重心は前掛かりになっていったのが災いし一本のロングキックを入れられた。ただ、これは千葉が対応しボールを追っていけてた。ところがその横から戸倉に猛突進された千葉は倒れてしまい完全にGKと1対1の状態に持ち込んだ戸倉に決められてしまったのだった。ああ、やられた。だけどあれってファールじゃないのか?

 当然のことながら抗議するサンフレッチェ。競ってる状態ではなく普通に走ってる状態のDF選手に横からショルダーチャージを仕掛ける。それがまかり通るならFWはボールを追う前にDFを潰してしまえばいいのである。やっぱりあれファールじゃないの?そんな疑問がいつまでもつきまとうのだった。

 その後戸倉は散々手を使ったプレーなどでファールを受けていたことが示す通り荒い選手であることは間違いない。だが、そういうプレーに導いたのはゴール前のプレーが認められたという要素が大きいのは間違いなかった。

 そんな理解できない状況の中サンフレッチェはCKまでこぎ着けた。キッカーのフェリペ。スワーヴの掛かったボール。ニアに飛び込んだ水本は見事に逸らしファーサイドにねじ込んだのだった。

 早い時間の同点。そこに歓喜し、フェリペがやっとゴールにつながる仕事をしたのに安堵感を憶えるのだった。

 ところがこの後稲垣が中盤での潰しがファールと取られてしまう。完全にボールに行ってるように見えた。あれファールだろうか。首を捻る動作が止まらない。納得いかない稲垣も当然のことながら抗議してたが判定は覆らずFKを与えることになってしまった。

 ただ、ゴールまでは距離があるだけにそんなに心配することはない。することはないはずなのにペナルティエリアのライン一直線に並んだ守備になぜか不安を感じた。そしてFKを蹴られるとファーサイドの選手に折り返され中で入れられてしまった。ええ、何でこんなに簡単に決められてしまうの?するとよりによってゴールを決めたのはFKを与えた張本人である稲垣なのだった。ああ、敵のゴールにはちっとも入れることができない癖に見方のゴールに決めてしまうとは。何とも皮肉なものであった。

 追わなければいけないサンフレッチェ。だが札幌も踏ん張る。ミキッチの突破も大分慣れてきたみたいで対応されてきた。そしてフェリペがドリブル突破でシュートするもポストに跳ね返されてしまう。更にはワントップの工藤は放つシュートがことごとくGK真正面なのだった。

 点が取れない。毎試合この台詞を言っている。でも実際点が取れないのだからどうしようもない。攻撃へのテコ入れにとアンデルソン・ロペス、皆川、宮吉と入るが何も起こらない。特に皆川などこういう膠着状態を打破すべくゴール前の肉弾戦での勝負というオプションがありそうでいながら全くそういう場面が訪れない。そもそもがこういう点を欲しい場面で取った試しもないので期待する方が無理なのかもしれない。

 そして終了。ついにサンフレッチェは札幌に初勝利を献上したのである。そしてサンフレッチェ自体は未だ勝利なしである。

「強豪サンフレッチェ広島に勝ったというのは自信になるのではないですか?」

 札幌のヒーローインタビューを聴いた時、とてつもない嫌味に聞こえた。開幕4戦未勝利のチームに強豪はないだろ。弱いチームにきっちりと勝利を納められましたねと言ってもらった方がまだマシだ。そう思いつつもタイトル目指してるとのたまったのはこっちの方だった。

 勝てない、勝てないサンフレッチェ。シュートが入らない。崩せない。そしてどこかしら審判の微妙な判定によって不利益を被る。これはもう呪いだ。この呪い、いかに解くべきか。3日間の連休、ぼくは祈祷にでも励もうかと思うのだった。

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