名古屋戦~足りなかった最後の一押し

2018/07/22 名古屋グランパスvsサンフレッチェ広島 豊田スタジアム

 新加入ベリーシャが名古屋入りしたという情報を得た。すでに4人もFW登録の選手がいるのに補強をしたということはパトリック以外の選手の得点力に物足りなさを感じているのだろうか。それとも互いに奮起を促す為の当て馬なのだろうか。その答えは分からないものの、少なくとも一度はそのプレーを見てみたいという願望はあった。
 そしてベリージャはベンチに入っていた。工藤には奮起を期したい。観たいと言いつつベリージャの出る幕をつくらないでほしい。
 暑い暑いピッチの上、そこはまるで湯気が上がってるようだった。連日の猛暑は選手だけでなくスタンドで観てるサポーターへも負担を与える。団扇で扇ぐも熱風しか感じられないだろう。
 そんな暑さのせいか選手の動きは重かった。それもスタミナを考えればしょうがないだろうと思いきやサンフレッチェの選手は相手ボールに対しては激しいチェックをする。時としてそれはファールとなるものの、相手の起点を潰すには効果的だった。が、名古屋の選手は段々と倒れることが多くなり、プレスが上手く掛からなくなる。倒れれば審判が笛を吹くものだからすぐに倒れる。まるでそれはそよ風でもなぎ倒されるのではというくらいの脆さだった。
 成績不振により中断期間中に4人も補強した名古屋。その補強が効いたのだろうか、サンフレッチェはなかなかゴールを割れない。カウンターでパトリックがシュートすれば枠の外。クロスから工藤がヘディングをすればGKに阻まれる。そして完全に崩したと思った場面でも柏のヘディングは枠を外してしまう。相手GKのランゲラックの反応が良すぎる。それでもシュートにはいけてるだけに最後の一押しが欲しい。最後の一押しが。そこに望みをかけるのが選手交代だった。
 工藤に代わって入ったティーラシンは果敢にシュートを打っていく。遠目からもペナルティの中でも隙があれば打つもののその都度ランゲラックのセーブとDFのブロックによって阻止されてしまうのだった。そして更に追い打ちをかけるべく柴崎に代わって川辺が入るのだった。
 疲労を考慮するとこの交代は理にかなってる。時にドリブルという武器を持つ川辺は相手の守備ブロックを崩していくことを期待できる。ところがこの川辺、肝心なとこでパスを出す。そしてそのパスが全て読まれててカットされると名古屋は反転して攻撃に移ってくる。ああ、川辺。開幕した頃の輝きはどうしたんだろう。チャンスがつくれないどころかまるで機能してないじゃないか。
 そして最後に柏に代わって森島に入ると更に溜息が深くなった。森島に入ったボールは全て奪われてしまってる。そのお陰でまるで守備の時間ばかりになる。ゴール前に人数をかけないといけない。それでもクロスに抜け出されジョーに決められてしまった。悪夢のような瞬間だった。が、副審の旗が上がりオフサイドの判定に助けられたのだった。
 それでも最後はもう跳ね返すのが精一杯。点は入ってないが終了のホイッスルが鳴った時にはホッとした。とりあえずは勝ち点1だけでも獲得することはできたのだった。
 最後の最後が決められなかった。柏にヘディングシュートを枠に入れる技術があれば。柴崎ももっと威力のあるヘディングシュートを打つことができたなら。そしてランゲラックの反応がもう少しでも遅れてくれたなら。そういう意味では相手のGKがよかった。守備も集中力を切らさなかった。だがそれならサンフレッチェも林が2度も決定的なシュートを止めていたのだった。
 あと一押しをする為の交代選手もティーラシン以外はパッとしなかった。その為のベリーシャだろう。果たしてそのベールを脱ぐのは一体いつになるんだろう。

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