神戸戦~勝てそうだったドローゲーム

2016/06/11 ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島 ノエビアタジアム神戸

 蒸気するような熱気にふらっと意識が遠のきそうになった。暑い、暑い、暑い。これでまだ6月と思うとこの先夏にかけてもっと厳しくなるのだろうとか思うと気が遠くなりそうなのだった。

 そんな気温の中でのデーゲーム。スタンドではうちわで仰ぐ姿が目立った。こういう時、観客の体温もまた気温を上げるような気がするのだった。

 この高温が影響したのだろうか、ミキッチが練習で怪我をして欠場してしまってる。柏が代わりに入ったものの、このところプレーに迷いがある柏にミキッチほどの脅威を与えられるような気がしないのだった。

 だが、そんなコンディションであったものの、サンフレッチェはいつものサッカーをやった。パスをつなげて相手をいなしながら前に進む。そしてCKを得ると柴崎が蹴る。ゴールど真ん中へと出たウタカ。ビンッという音が聞こえてきそうなくらい綺麗に決まったのだった。

 いきなりの先制。これは幸先がいい。この調子でやっていけばゴールラッシュが観れるのではないだろうか。その後も相手のボールを上手くからめ取り速攻につなげていくことによってもっと点が取れると思っていた。が、その都度シュートに行く前に人数を掛けた守備に前を塞がれてしまった。

 うーん、チャンスだったのにと次へと切り替えるもどうやって切り崩そうかと思い悩んでしまった。そしてどう展開しようと悩んでる内にボールを取られてしまった。するとサイドに出てクロスを上げられた。中央に落下するボール。それを防ごうと戻った塩谷と青山。だが2人ともボールに触れることすらできない。そして柏もペトロ・ジュニオールを捕まえられずドフリーでシュートを叩き込まれてしまった。

 ああ、やられた。また失点してしまった。防げない攻撃でないような気がした。正直とりあえず入れてみたというクロスだった。そういうのを防ぎきれない。これだからパワープレーにも簡単に屈してしまうのだろう。

 まあいい、これからだ。また点を入れればいい。ゆっくりでいいので確実に組み立てていけばいい。そんな余裕を感じさせたパス回しに神戸も最初は食いつきはしなかった。が、ほんの些細な隙を見せただけでガッと忍び寄って奪っていく。そしてそのままゴールに迫る。うわ、ヤバイ!そんな声を何度発してしまっただろう。

 そんなことを繰り返していく内に神戸の方がボールを支配してしまう。ボールの取れないサンフレッチェ。奪ったとしてもどうにも前線での連動が合わない。バイタルエリアでパスを出すと宮吉がまるでボールを避けるような動きをしてしまった。それを観てもうシュートまでいくことはできないのではと思うのだった。

 CKでは水本が2度も頭を合わせながらも枠に入らない。相手が前掛かりになった時にウタカがフリーでボールを持ってもシュートまで行き着かない。だがそれでも浅野が交代で入るとカウンターから絶妙なゴール前へのパスを出した。が、これも浅野がシュートをGKにぶち当ててゴールに至らない。ああ、入らない、入らない。浅野はどうしてこうもGKとの1対1を決めきれないんだろう。

 時間がない、時間がない。早く点を入れろ。だけどサイドからクロスを入れても精度がなく相手GKへのパスにしかならない。ああ、やっぱりミキッチがいないと駄目なのだろうか。

 そしてあえなくタイムアップ。せっかく先制したもののその優位性を生かすことができず引き分けてしまった。その後あったチャンスでちゃんと決めていたなら恐らくゴールラッシュになっただろう。逆にすぐに追いつかれてしまったことによって相手に勢いを与えたような気がする。試合をする度に課題が見つかりその分まで次回は強くなる。そうなることを期待しつつも毎回新たな課題ができてしまう、そんな気がするのだった。もういい加減このサッカーにはどのチームも対策を練ってきて限界があるような気がする。それでいながらこのサッカーが観たくてしょうがない。果たして今シーズンこのサッカーは勝てるサッカーとなっていくのだろうか。

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