柏戦~逆転した前半

2016/07/13 柏レイソルvsサンフレッチェ広島 日立柏サッカースタジアム

 連日の猛暑、まだ夏も序の口かと思うと気が遠くなってくるのだが、それよりもすでに水不足の兆候が見られるとの観測も気を遠くさせた。が、この日は一転、雲に覆われ雨もぱらついてる。なので今日は涼しくなるだろうと思いきや熱しきった大気はそう簡単に温度を下げることもなくむしろ湿気をまとわすだけだった。高温多湿、このアジア特有の気候に歩いてるだけで息が上がるのだった。

 柏スタジアムというのは駅から歩く距離が長いこともあってたどり着いた時にはすでにシャツが汗でまとわりついてるのだった。だがその後ゲートをくぐるとそんな暑さなど忘れさせてしまう大きな間違いを自分が犯してるのに気づくのだった。

 自信もって差し出したチケット。スタッフに呼び止められよく見ると領収書である。間違って持ってきてしまった。

 唖然とした顔をするぼく。でもすぐに会場スタッフが手続きを取ってくれて代替えのチケットを用意してくれた。ああ、ありがあとう。優しき柏の会場スタッフに感謝である。

 そして無事スタジアムに入ることができたぼくだが時間を食った割にはそれほど混んでなかった。さすが平日のナイトゲームじゃこんなもんかもしれない。柏駅からも遠く離れてるこのスタジアム、仕事が終わって駆けつけるにはそう気軽に来れるとこでもないのだった。

 立ち見のゴール裏、来場の遅かったぼくは仲間とも合流することできず人の少ない端のエリアに位置を取る。正面には柏のゴール裏が目に飛び込んで来る。そしてアップをしている選手も間近。サッカー専用スタジアムは全てが近く後半ミキッチが右サイドをドリブルで疾走するとさぞ盛り上がるだろうなどと夢想するのだった。

 だがそんな夢見心地も試合開始間もない時間に終わってしまった。CKから綺麗にヘディングシュートを決められたのである。目の前で揺れたゴールネットに唖然としながら防げないヘディングだったろうかと険しい感情に支配されるのだった。

 それでもそのすぐ後に浅野がGKと1対1になる場面が訪れる。ループシュートを放ち決まったと歓喜に沸こうとした次の瞬間聞こえたのは「カツン!」とバーに当たった金属音だった。

「あれ外すかよ!」

 名門アーセナル移籍の決まってる浅野にしてそれはないだろとコケてしまいそうになった。FWのポジションでそれじゃあ海外で成功しないんじゃないかと余計な心配をしてしまうのだった。

 そしてその後、今度はサイドからのクロスが上がりフリーで頭に合わせた選手がいる。が、これも「カツン!」とバーに当たった音がするのだった。

 2本続けてバーに当てるとは。こんなこと、狙ってもできることじゃない。もう今日はゴールできないだろう。そんな気分になるのだった。

 FKのチャンスを貰っても塩谷はグラウンダーのキックを相手の脚に当ててしまう。もはや打つ手なし、そんなネガティブな気になってたその時だった。ふいに前にボールが出てポンポンポンとつながる。そしてゴール真正面からシュート、入った。入った、入った、入った。

 沸き上がるアウェイゴール裏。だがそのゴールを決めたのが丸谷だと知ると驚愕と相まってまた喜びが沸騰するのだった。

 それが勢いとなったのだろうか、どんどんと柏のゴールに迫っていく。それが功を奏したか、FKを貰った。これを決められたら。そう思うもその距離はちょっと無理があるような気がした。どんな球種の球を蹴ってもGKにセーブされてしまうだろう。

 そして塩谷の放ったキックはグラウンダーだった。さっきやって壁にぶち当たったのでもうないだろうと思いきや意表を突かれ誰もが予想できずゴールに突き刺さったのだった。

「うおっしゃぁーっ!」

 拳を突き上げて歓喜を爆発させたのだった。

 更に更に左サイドで清水の突破から上げたクロスに飛び込んだ柴崎がヘディングで3点目を決めまたしても歓喜の渦に入るのだった。

 そしてすぐに前半終了のホイッスルが鳴り、果たして後半は何点入るんだろうなどとのんきなことを考えつつハーフタイムを迎えたのだった。

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