福岡戦~結果を出した2人、結果を出せなかった2人

2016/05/29 アビスパ福岡vsサンフレッチェ広島 レベルファイブスタジア


 福岡は雨が降っていた。それが試合にどれだけの影響があるのだろうか。点が取れず勝ち点を落とし続けてる印象があるものの得点数はリーグ2位というのはちょっと意外な気がするのだった。それだけにここぞというとこで取れてないということかもしれない。

 勝ちが拾えない原因としてそんなとこに見いだしたのか、しばらく固定化してたスタメンを替えてきた。左サイドとシャドーだが確かに不満のあったポジションではあった。左サイドの柏は突破が陰を潜め緩慢な守備から失点を招いてる。シャドーの茶島はとにかくゴールがない。攻撃的ポジションにいて1点しか入れてないというのはさすがにキツい。なので2人を清水と宮吉に代えたのは別に驚きでもないのだった。

 ところがせっかく出場した清水が足を滑らしボールを取られてしまった。他にも足を滑らせる選手もいたことから足下は不安定である。だがこういう時にでも右サイドのミキッチは何度も突破をしてクロスを上げる。それに比べるとやはり清水はおとなしく見えるのだった。

 ところが攻撃は中央から起こった。ウタカに入るとワンタッチで裏へ。バイタルエリアの柴崎へ。

「シュートだ!」と叫ぶもトラップミス。が、そのこぼれ球に猛然と突っ込んだウタカ。シュート、逆サイドのネットへ突き刺さったのだった。

 ウタカ、本当によく決める。得点ランクトップ。当然のことながらこれだけの得点力を持ってる割には勝ててない気もする。それもそのはず、他の選手が点を取ってないからだった。

 そのせいか先制をするも冷静でいた。まだ始まったばかりだし喜ぶのは早いと思いその後の戦況を見守った。すると今度は左サイドの裏へボールが出た。そのボールに追いついた清水、ペナルティエリアに切り込みシュートかと思いきや真ん中へ浮き球。すると後ろから猛然と走り込んだ宮吉がダイレクトシュート。バーにガツンと当たるもゴールの中に入り追加点を決めたのだった。

「ミヤヨシ、ミヤヨシ、ミヤヨシーッ!」

 無我夢中で叫びたい衝動に駆られた。パスを送った清水も秀逸ながら決めた宮吉もエクセレントだった。決して簡単なシュートではなかった。そもそも最初からシュートを打つ前提で走り込んでいたというのがいい。こういう興奮するゴールというのは久しぶりのような気がするのだった。

 そしてそれに触発されたかのように今度はミキッチからのクロス。柴崎がヘディングで決めるのだった。柴崎も今シーズンはなかなか決めきれなかっただけにいい方に相乗効果があったようだ。

 前半だけで3点。安心する為にも更なる追加点が欲しい。そこで後半が始まるとボールは支配するもどうも点の入る気配がない。深い位置まで入るとシュートの前に攻撃が終わってしまう。うーん、これは難しいなと思ったその時、ウタカによりゴール前へのスルーパスが出る。飛び出す宮吉。セーブに向かうGKを避けるボールをきっちりとゴールに流し込んだのだった。

 4点目。そして宮吉2点目。確かにゴール前ではあったもののよく決めた。このゴールは本人も嬉しかったらしくゴール裏のサポーターの下へ駆けて行ったのだった。

 そしてもはや仕事はこなしたと判断されたか宮吉は茶島と交代してしまった。更にミキッチも柏と交代した。すると見事に点が入らなくなってしまった。ゴール前でのシュートチャンスがあっても決めきれなかった。右サイドでのクロスが効果的ではなくなってしまった。その様子にこの2人はやはりちょっと厳しいと感じざるをえないのだった。

 0ー4。スコア敵には完勝であろう。だけどクラブワールドカップでの好パフォーマンスが大きく評価された茶島はシュートが決めきれない。そして代表に呼ばれてもいいのではと言われてた柏がプレーに精細を欠いている。代わりの選手が活躍してくれたというのは良かったもののどうしてこんなにも存在感をなくしてしまったのだろう。それとも単にこちらの期待値が大きすぎただけの話だろうか。それらの理由で大勝に喜ぶも酔いしれるとこまでにはいかないのだった。

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