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星を救う者は星に夢を見る 第五節

Zenoa=Rolandとは何者なのか
ただの一介の冒険者であるZenoa=Roland(以下ゼノア)が
なぜ、世界の危機を救った「英雄」となったのか?
当記事では彼女について語っていくものとする。

まるで彼女自身を現したかのような赤いドレスに身を包んだ美女が
子供のような笑顔で私を出迎えてくれた。

「ゼノアについて、記事を書いてるんだって?とても面白そう!だから、私もその記事のお手伝いが出来たらなって!それに私の知らないゼノアの話も聞きたいし!」

矢継ぎ早に彼女は話し続ける。

「ゼノアはね、何というかみんなを惹き付ける魅力がある子ね。そしてゼノア自身が常に一生懸命に色々するもんだから、それにみんなもつられて動き出すの。」
「色んな冒険をしたのもあるけど、アルフィノやアリゼー、
サンクレッドにヤ・シュトラ、ウリエンジェみんなゼノアと出会う前からは想像もつかないくらい変わったと思う。それもゼノアのせいだと私は思ってる。当然、私も変わった!」

ゼノアにはやはり何か不思議な力があるのだろうか。

「私はゼノアに出会ってから、どうしようもない悲しみややるせない気持ちになったことが何回かあったの。そんな時、気がつくとゼノアは私の隣にいて色んな言葉をかけてくれたり、ある時は『ちょっと付き合って』って言われて、拳を重ねた時もあったよ。」

悲しみを口に出したときの彼女は刹那のとき、とても辛い表情をしていた。これは聞くべきなのか躊躇うほどに。

「もし、ゼノアがいなかったら私はそこで立ち止まっていたかもしれない。色んな人の想いも無下にして。他のみんなもゼノアに救われたって思ってる人多いと思う。特にアルフィノやアリゼーなんかはそうじゃないかな。」

暁のメンバーで双子でもあるアルフィノ・アリゼーか。
二人から話を聞くのが楽しみである。

「本当は最初から最後までゼノアとの想い出を話したいんだけど、
話しちゃいけないことや、話せないこともあるから・・・。」

話しちゃいけないことは機密に関わることだろう、サンクレッドもそんなことを言っていた。まだ我々のような一般の人に話せないことが多々あると。
なら、話せないこととは・・・?

「私には大事な人がいた。その人たちのこと。」

彼女は今にも泣きだしそうな顔をしていた。
私は話題を切り替える。

「他のみんなかぁ。ウリエンジェは多分つk、遠いところにいるから今は会えないと思う。ヤ・シュトラは何処にいるんだろう?
そういえば、アルフィノからの手紙にはいま『ガレマール帝国』にいるって書いてあったよ!」

ガレマール帝国、かつてこのエオルゼアに侵攻してきた国
いまは内戦や、世界の終末で内情はボロボロで復興の最中と聞く。

かつての敵国にその戦いの真っただ中にいた彼はいるという。

ゼノアの記事を書くのが本題だが、一記者として
帝国の現状を書き起こすのも、私の使命ではなかろうか・・・。

「また、良かったらお話させて!その時はみんなから聞いた話も聞かせて。私楽しみにしてるから。」

次の約束。その時はアラミゴについて語ってもらおう。
次の記事も決まった。
次の目的と場所も決まった。

果たして、次に出会う彼はゼノアの何を語ってくれるのだろうか。


第六節へつづく

                著:フリーライター リリル=リル


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